有機あんこ業界のイノベーション:遠藤製餡の再始動
日本の伝統的な甘味として愛されているあんこ。その中でも、有機素材を使用したあんこで市場の注目を集める株式会社遠藤製餡が、2025年8月1日から新ブランド「en Far East Organic(エン ファー イースト オーガニック)」を立ち上げることが発表されました。このブランド刷新は、有機製品の普及と海外展開の強化を目指したものです。
ブランド名に込められた意味
「en」は日本語の「縁(えん)」や「円」を表し、サステナブルな社会の循環を示唆しています。「Far East」は日本の位置を象徴し、そこから世界に向けてオーガニックの理念を発信する姿勢が現れています。創業者の言葉を引用し「すべては弧を描き、円のように循環している」と語るように、業者と消費者との繋がりを大切にしています。
商品ラインナップの拡充
また、今回のリニューアルではパッケージデザインの統一とともに、従来の小豆製品に加え、新たなオーガニック原料を駆使した商品展開が計画されています。国内市場にとどまらず、グローバルブランドとしての可能性を秘めた同社の挑戦は、業界全体にも新しい風を吹き込むことでしょう。
甘さの常識を覆す新しいあんこ
特に注目したいのが、Brix約41の低糖度を実現した“有機あん”シリーズです。一般的に市販のあんこは糖度が60前後である中、甘さを控えつつもしっかりとしたコクがあり、健康志向の消費者にとっての新たな選択肢となるでしょう。使用しているのは、有機砂糖で、その自然な甘みと後味が特徴です。
遠藤製餡のオーガニックへのこだわり
この再始動は、遠藤製餡が40年以上前からオーガニックに取り組んできた歴史の延長線上にあります。1984年に始まった低糖度あんの研究において、「味を保ちながら糖分を減らすには、原料の質を向上させる必要がある」という信念が生まれました。優れた小豆を育てるためには、優れた土壌が不可欠であるという結論に至りました。この信念は1998年に製品化され、2006年には有機JAS認証を取得しています。
経営陣の思い
株式会社遠藤製餡の開発責任者は、「あんこは伝統的な味であるだけでなく、革新性も秘めた素材です」と述べています。彼は甘さの重さを感じさせない新しいあんこのスタイルを提案し、“オーガニックな和”を日常に取り入れてほしいと強調しています。新ブランド名「en Far East Organic」は、同社のメッセージそのものであるといいます。
商品のリニューアルについて
リニューアルされた商品は、以下の通りで、すべて「en」の略称が付与されます。
- - en 有機小倉あん 300g
- - en 有機こしあん 300g
- - en 有機ぜんざい 180g
- - en 有機ゆであずき 250g
- - en 有機赤飯用あずき 230g
この新たな展開は、消費者にとって新しいおいしさの体験を提供するだけではなく、持続可能な社会に向けた一歩ともなるでしょう。
遠藤製餡の歴史
1950年に誕生した遠藤製餡は、半世紀以上にわたりあんこ業界のパイオニアとして、先進技術と顧客のニーズに応え続けてきました。現在では、餡の素材提供から和・洋菓子のOEM生産、自社ブランド商品まで幅広く展開しています。
新ブランド「en Far East Organic」によって、遠藤製餡の革新はこれからも続きます。日本の味を、そして和の文化を世界に広めるための挑戦に、ぜひ注目してみてください。