ファンケルの新たな無機顔料がもたらすメイクの進化
株式会社ファンケルが、鳥取大学との共同研究により、肌に優しい新しい赤紫色の無機顔料「CaCoGe2O6」と「CaCoSi2O6」を開発しました。この研究は「2025年度 色材研究発表会」において発表され、メイクアップ業界に新風を吹き込む可能性が期待されています。
背景と目的
近年、化粧品に使用される合成色素は、その鮮やかさから人気を集めていますが、肌に刺激を与える可能性があるため、ファンケルはそれに代わる、より安全な無機顔料を推進しています。しかし、従来の無機顔料は鮮やかさに欠けるため、メイクアップの表現には限界がありました。
この課題を解決するべく、ファンケルは輝石構造という新たなアプローチに挑戦しました。この構造は熱や光に強く、使う元素によって様々な色を形成する特性を持っています。
開発した赤紫色無機顔料
ファンケルはまず基本となる無機顔料「CaMgGe2O6」を選び、色の元となる金属元素を探求。Mg(マグネシウム)をCo(コバルト)に置き換えることで、1200度で焼成すると鮮やかな赤紫色を持つ「CaCoGe2O6」が誕生しました。しかし、このゲルマニウムは化粧品での使用があまりなかったため、Si(ケイ素)を用いた「CaCoSi2O6」も開発されました。
鮮やかさの確認
開発した二つの顔料「CaCoGe2O6」と「CaCoSi2O6」は、既存の無機顔料と比較して鮮やかさが明確に異なることが実証されています。L
(明度)、a(赤色度)、b*(黄色度)の指標を用いて測定した結果、二つの新しい顔料は酸化鉄やグンジョウを超える高い赤色度を誇ります。
安全性と肌へのやさしさ
ファンケルは、化粧品における「肌へのやさしさ」を最優先に考えています。この新しい無機顔料は、肌に直接使用されるため、安全性が非常に重要です。これまでの研究成果を踏まえ、今後も無機顔料の開発に力を入れ、多彩な色彩を提供する製品を多数展開する予定です。
研究員からのメッセージ
ファンケルの総合研究所化粧品研究所メイク開発グループの片岡菜緒氏は、「化粧品はその色や質感だけでなく、肌への優しさが重要です。私たちは、安全性と色鮮やかさを両立し、メイクを楽しむすべての方に満足していただける製品を開発しています。」 と述べています。
おわりに
ファンケルが手がけるこの画期的な無機顔料の登場により、化粧品業界に新しい風が吹くことでしょう。今後も安全性と美しさを兼ね備えた製品が益々期待されます。皆様のメイクアップが、この新しい顔料によってさらに楽しく、彩り豊かになることを願っています。