オーストリアと日本の伝統が香る日本酒『獺祭 未来を作曲』
今年、オーストリアと日本が手を取り合い、特別な日本酒を生み出しました。その名も『獺祭 未来を作曲』。これは、オーストリア連邦産業院と山口県の旭酒造がタッグを組んで実現した、音楽と日本酒の新しいコラボレーションです。この商品は、2025年に開催される大阪・関西万博のオーストリアパビリオンで販売されます。
音楽から生まれた酒の魔法
『獺祭 未来を作曲』は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーが演奏したヨハン・シュトラウスⅡ世の「入り江のワルツ」を、獺祭の醸造過程に取り入れた特別な日本酒です。音楽を聴かせることで、タンク内の酵母の活動が変化し、風味が豊かになるという新手法が採用されています。このアプローチは、音楽の振動によって酒の質が向上するという興味深い実験的試みです。
製造は、2024年の春にオーストリア連邦産業院のハラルド・マーラー総裁が旭酒造を訪問したことから始まりました。関係者が協力覚書を取り交わし、次にウィーン・フィルハーモニーのメンバーが音楽を演奏、その録音が旭酒造に送られ、特殊な振動装置を使ったタンクの中で酒造りが行われました。こうして、音楽が日本酒に命を吹き込むという新しい形のコラボレーションが誕生したのです。
オーストリアと日本の文化的共通点
オーストリア連邦産業院のマーラー総裁は、両国が品質や職人技への敬意、家族経営のビジネスを重視する姿勢を共有していると語ります。同様に、旭酒造の桜井社長も、音楽と酒が人々の心に感動を与える力を持っていると確信しており、文化を通じた国際交流がもたらす価値を高く評価しています。
醸造技術の秘密
『獺祭 未来を作曲』の精米歩合は、獺祭の名作「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」と同じ23%に設定されています。この酒の最大の特徴は、タンク内で音楽を聴かせることによる新たな発酵方法です。音楽の振動によって、酵母の活性が改善され、結果として酒質が向上します。
この特別な日本酒は、飲むだけではなく、オーストリアの文化や音楽との融合を楽しむことができます。一杯の酒がもたらす体験を通じて、日本とオーストリアの絆が深まることを願うプロジェクトです。実際に『獺祭 未来を作曲』を味わうことで、この独自の背景に思いを馳せることができるでしょう。
商品情報
『獺祭 未来を作曲』は、720mlのカートン入りで、日本の酒造りの職人技が感じられる一品です。希望小売価格は税込8,000円。5月22日からの販売を皮切りに、大阪関西万博の開催に合わせて全国の酒販店や百貨店でも購入が可能になります。この日本酒は、文化や国を超えて人々をつなぐ架け橋となることでしょう。
オーストリアと旭酒造の共演によって生まれたこの『獺祭 未来を作曲』、あなたもその一滴を味わい、響きを感じてみてはいかがでしょうか。乾杯!