濃縮シコニンで新しいスキンケアを提案するNILの技術革新
株式会社NILは、独自の高濃度シコニン抽出技術を用いた特許「皮膚外用剤、肌質改善剤及び日焼け防止剤」を取得しました。この特許技術は、伝統的な素材である紫根から効率的にシコニンを抽出し、それを安定的に水性製品に応用するためのものです。今回は、NILが実現した革新技術の詳細と今後の展開についてご紹介します。
紫根の伝統とその現代的利用
紫根は1000年以上前から利用されている生薬であり、特に江戸時代には「紫雲膏」の形で傷の治療薬として広く使われてきました。しかし、水に溶けにくく、色が変わりやすいという特性から、スキンケア領域での応用は今まで難しいとされていました。
NILは、この課題に挑戦し、シコニンを水にナノ分散させる技術を確立しました。この技術により、シコニンの性質を最大限活かした製品を開発することが可能になりました。
高濃度シコニン抽出技術の具体的な成果
NILが開発した特許技術は、シコニンと加水分解型タンニン、AMPS系高分子を組み合わせたものです。これにより、シコニンを水性処方に適応させ、安定した状態を維持できるのです。2023年に作製したクリームは、2025年11月までの2年以上にわたり、顕著な退色もなく長期的な安定性を確認しました。
モニター試験による効果の実証
さらに、NILは2024年から2025年にかけてVISIA肌画像解析を活用したモニター評価を実施しました。これにより、様々な年代において以下の改善効果が確認されました。
- - 20代女性:赤みや紫外線によるシミが早期に低下
- - 50代男性:毛穴の改善が見られる
- - 60代男性:紫外線シミや肌のキメが安定して改善される
このデータから、シコニンを使った製品が年代ごとの肌悩みに対して多面的にアプローチできる可能性が示唆されました。
今後の展望と製品のラインアップ
NILは、今回の技術を基にスキンケア製品の本格展開を計画しています。具体的には、デイクリームや美容液UV、化粧下地などがラインアップに加わる予定です。また、シコニン高純度原液についても販売を見込んでいます。
この新しい技術の開発を主導したCEOの佐藤正晃氏は、「シコニンを現代スキンケアに取り入れ、肌の反応を設計する新たなカテゴリーを広げていく」と意気込みを語っています。
また、R&D統括のCTO岡田久氏は、シコニンの安定化技術が他の素材への応用にもつながる可能性があることを強調し、今後の展開がとても楽しみです。
まとめ
株式会社NILが開発した高濃度シコニン抽出技術は、伝統的な材料を現代のスキンケアに生かすことで、私たちの肌に新しい価値をもたらす可能性があります。今後の製品展開に目が離せません。