若者世代の短歌に息吹を!
2024年より活動を開始した「フェリシモことば部」は、現代の若者たちの感情や思いを短歌という形で表現することを目指し、「あたらしい日々への短歌賞」を開催しています。この賞の魅力は、ただのコンペティションに留まらず、参加者が短歌を通して自己表現をし、自分の思いを言語化する手助けをすることにもあります。
受賞作品の発表
2025年5月1日、金賞に輝いたのは
ひらがなさんの「段ボールもうしめちゃったよ紙袋いっぱいの愛を抱いて上京」という作品です。彼女の短歌は、物と愛情の密接な関係を巧みに描写し、思わず心打たれるものとなっています。審査員の木下龍也さんは、短歌の中に込められた「愛の質量」を感じ取れるとコメントしています。
また、銀賞には
植垣颯希さんの「カラオケでしわくちゃになる表情を見ていた」と
薄暑なつさんの「アイロンがけの丁寧なハンカチを嗅ぐそれで帰れる町並みがある」が選ばれました。これらの作品も、日常の小さな瞬間を切り取ったもので、心に深く残ります。
さらに銅賞に選ばれた3作も素晴らしいですが、特に目を引くのが
鈴城戸さんの「春風にあと押しされて洗剤でだけ知っている花を育てる」です。この短歌は、日常生活の中に草花を育てる楽しみを見出す、大切さを表現しています。
受賞作品は、公式ウェブサイトでも公開されていますので、ぜひともその目で確認してみてください。
短歌を書くことの意義
この賞は、20代の若者を対象とした短歌の公募で、「あたらしい日々」をテーマにしています。多くの若者が感じる「生きづらさ」と向き合うための一歩として、短歌を活用してもらいたいという意図があります。公募を通じて、自分の気持ちに気づくことや、他者との共感を得ることができるでしょう。
短歌を書くこと自体が、若者にとって自己探求の手段となると同時に、他者とのコミュニケーションの一部として機能することが大切です。これにより、リリースされた短歌は、ただの作品に留まらず、若者同士の共感を生む媒体ともなるでしょう。
副賞としての特別な体験
入賞者には、フェリシモが運営する都市型ワイナリー「fワイナリー」のオリジナルラベルワインが贈られます。これには、受賞作品からインスピレーションを得たイラストがあしらわれており、単なる作品以上の価値を持っています。この体験は、短歌を書くことに励む中で得られる特別な瞬間でもあります。
次代の文化を担う短歌
「フェリシモことば部」の活動は、ただの短歌公募にとどまらず、若者たちが今感じていることを形にするための大切な橋渡しです。次世代が感じる真実や感情を直に表現することで、未来の文化の形成にも寄与していくことでしょう。
ぜひ、次回の公募にも参加してみて、自分の言葉で思いを伝えてみてはいかがでしょうか?あなたの短歌が、誰かの共感を呼ぶかもしれません。
受賞者の短歌は、「フェリシモことば部」の公式ウェブサイトで閲覧可能です。興味のある方は、ぜひ足を運んでみてください。若者たちによる新たな表現の場として、この短歌賞がますます広がることを期待しています。