コクヨデザインアワード2025が選んだ受賞作品
コクヨ株式会社が主催する「コクヨデザインアワード2025」の受賞作品が発表されました。このアワードは、デザインという分野で新しい発想や創意工夫を促進し、才能あるデザイナーを応援するために設けられた国際的なプロダクトデザインコンペティションで、今年で22回目を迎えます。
2025年のテーマ“prototype”の意義
今年のテーマは“prototype”。ここでは単に製品の原型や試作品としての意味だけでなく、次の可能性を秘めた原型としてのプロダクトデザインが募集されました。この新しい解釈に基づき、318のデザインが提出されました。この中から厳選された作品が最終審査を経て、グランプリ1点、優秀賞3点が決定されました。
集まった作品数
応募期間中の2024年7月26日から10月9日の間に、国内外61か国から合計1,448点の作品が寄せられ、そのうち716点が日本、732点が海外からの作品でした。
グランプリ受賞作品の紹介
NEWRON(ペン)
グランプリに輝いたのは、川田 敏之さんの『NEWRON』です。この製品は、人間の指先に多くの神経を集中させ、刺激することで脳の活動を活発化させることを目的としたペンです。特にグリップ部分に施された様々な形状の突起が「書く」という行為と共に指先の感覚をも引き出し、アイデアの創出を手助けします。
優秀賞受賞作品の紹介
スピニング(栞)
優秀賞の一つに選ばれたのは、一條 遥貴さんの『スピニング』。これは本についている小さな紐で、ページを跨いで使えるように進化させたデザインです。この製品は、単なる栞ではなく、次の読者へのギフトや、読後の気持ちを表現するための可能性が広がっています。
KAKONET(マグネット)
続いて、松村 佳宙さんの『KAKONET』。このマグネットは、読書や映画の中で心に残るセリフや言葉を強調するものです。「忘れたくないこと」をしっかりと留めることができる仕掛けが込められています。
秘密(ダイアリー)
最後に、weiweichen(Gaowei Liu、Cheng Chen)さんの『秘密』。このダイアリーは日記の新たな形を模索し、心の中の「秘密の言葉」を形にするためのデザインです。
トロフィーと表彰状のデザイン
受賞者に授与されるトロフィーは、今年のテーマ「prototype」がもたらす未来へのベクトルを具現化したものです。色どり豊かな模様は、創造と試行錯誤の結果を象徴しています。また、ファイナリストには特別な表彰状も贈られ、これに使われている素材は、キービジュアルの「矢印」を強調するために工夫されています。
コクヨデザインアワードの持つ意義
2002年に創設されたこのアワードは、デザイン界に新しい息吹をもたらし、過去20点以上の製品を世に送り出しています。生活や仕事に役立つ道具のデザインを通して、デザイナーの未来を切り開くための重要なプラットフォームであり続けています。
審査員のプロフィール
また、審査員には業界の著名なデザイナーや建築家が名を連ねています。木住野 彰悟さん、田根 剛さん、田村 奈穂さん、柳原 照弘さん、吉泉 聡さん、それぞれが持つ独自の視点から、優れたデザインを見極め選出しています。
次回のコクヨデザインアワードはどのような魅力的な作品が生まれるのか、ますます注目が集まります。新たなデザインの可能性を実感し、あなたもその一翼を担ってみてはいかがでしょうか。