いなば食品、駒越食品を子会社化
静岡県静岡市に本社を置くいなば食品株式会社が、中堅食品企業である駒越食品株式会社を子会社化することを発表しました。2025年11月1日付でこちらの株式51%を取得し、より強固な缶詰事業の体制を築く狙いがあります。これにより、エンドユーザーに対して更なる価値を提供できると期待されています。
駒越食品の歴史と役割
駒越食品は、設立から62年以上の歴史を持つ缶詰メーカーで、従業員約70名と年間売上高26億円を誇ります。約60万ケースの生産能力を持つ同社は、いなば食品とのOEM(相手企業のブランド名で販売する製品)関係が50年以上続いており、特に「いなば ライトツナ スーパーノンオイル」や「いなば ライトツナフレーク 油漬け」の製造で知られています。
さらに、駒越食品自体も「静岡おでん缶」や「まぐろ中トロ缶」といった自社ブランドの惣菜缶詰の生産に力を入れており、多様な商品ラインナップが特徴です。
子会社化の意義
今回の子会社化により、いなば食品は駒越食品とのシナジー効果を高め、缶詰事業全体を強化することで、より広範な市場ニーズに応えることが目指されています。いなば食品は既存の商品ラインをさらに展開しながら、駒越食品が持つ製造能力や技術を活かして新たな商品開発にも注力する方針です。
代表取締役社長の田中邦典氏が引き続き駒越食品の経営を担うことにより、既存の人材やノウハウを大切にしつつ、新しい戦略を進めていくことが期待されています。
まとめ
食品業界の競争が激化する中、いなば食品の今回の子会社化は、単なる企業の合併ではなく、缶詰事業を一層発展させるための重要なステップです。これまでの50年以上にわたる信頼関係を背景に、新たな展開がどのように進んでいくのか、業界全体が注目しています。今後、いなば食品が駒越食品を手に入れ、缶詰の新たな地平を切り開く様子に期待が寄せられます。