資生堂が描く2030年への新たな進化戦略と美の未来

資生堂は、2030年を見据えた新たな中期経営戦略を発表しました。これまでの「SHIFT 2025 and Beyond」を基に、ブランド価値を最大化し、新たな成長の道筋を築くことを目指しています。この戦略の中心には、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」に則ったビジョンがあります。「ひととの繋がりの中で新しい美を探求・創造・共有し、一人ひとりの人生を豊かにする」というビジョンを掲げ、資生堂は未来に向けた具体的なアクションを展開します。

ブランド力向上のための戦略

さらに、今後注力する分野としては、「スキンケア」、「サンケア」を中心に、「メイクアップ」、「フレグランス」、「メディカル＆ダーマ」、「ライフスタイル」などのカテゴリーに目を向けています。これにより、カテゴリーごとの成長戦略を明確にしていきます。特に、技術力を駆使したイノベーションの促進が重要な要素となり、最新技術を駆使した製品開発が継続的に行われる予定です。

グローバルオペレーションの戦略的進化

また、グローバルな視点からは、オペレーショナルエクセレンスを追求し、バリューチェーン全体においての最適化を進めます。地域横断的なチームを形成し、迅速な課題解決を行うことで全体の効果を最大限に引き出すことが求められています。そして、デジタル技術やAIの活用を強化することで、顧客体験の向上や業務の効率化を図ります。

サステナブルな価値創造への取り組み

資生堂は、サステナビリティへの取り組みも進めており、特に「ジェンダー平等」や「人権尊重の推進」といった社会的な側面に積極的に貢献していく方針です。さらに、地球環境への負荷軽減に向けて「資生堂ビューティー・サーキュラーモデル」を確立し、環境に優しい製品開発に注力します。これにより、企業としての社会的責任を果たしながら新たなビジネスモデルの構築を目指します。

財務戦略と株主還元体制

資生堂は、2050年に向けた長期的な成長に向けて、コア営業利益率10％以上、ROIC10％以上、ROE12％以上などの財務目標を設定しています。特に、株主還元に関しては、長期的な安定性を重視しながら配当金の拡充を行い、事業成長を支える基盤を築きます。今後5年間で5,000億円以上を営業キャッシュフローとして見込んでおり、これを基盤にさらなる成長投資を行う方針です。