日本慢性期医療学会で発表された画期的な栄養ソリューションとは

日本慢性期医療学会での最新の研究成果

2025年11月6日と7日、大阪市で開催された『第33回日本慢性期医療学会』において、ネスレヘルスサイエンスのPHGG（部分加水分解グアーガム）を含む流動食に関する重要な研究成果が報告されました。この学会は、高齢者医療や慢性期医療の質向上を目指す医療従事者が集まり、知見を深める場でありました。

ネスレヘルスサイエンスの研究成果

発表された内容の中でも特に注目を集めたのは、PHGG配合流動食を使用した2つの研究課題です。一つは「経腸栄養2回投与法導入のきっかけ」とそのプロセス、もう一つは「経腸栄養600kcalによる2回投与法が糖尿病患者の血糖変動およびHbA1cに与える影響」で、後者は「優秀演題賞」を受賞しました。

経腸栄養の新しいアプローチ

安部斗与氏（医療法人旭会園田病院看護部）が発表した内容によると、従来の3回投与法では患者の拘束時間が長くなり、医療従事者の負担が増えるという問題がありました。そのため、園田病院では経腸栄養の2回投与法を導入することを決定。これは、患者のQOL（Quality of Life）の向上や医療業務の効率化を目的とした取り組みです。

導入プロセス

1. 現状確認と課題抽出：看護部長が現状を認識し、スタッフとの面談により課題を確認。
2. 院内への働きかけ：栄養課と協力して、2回投与法の導入を提案。病院全体で患者の睡眠時間を尊重する体制を構築。
3. 導入テストおよび本格導入：まずは少数の病棟でテストし、良好な結果を受けて全病棟で正式に導入。

糖尿病患者への影響

もう一つの注目すべき研究は、木村明佳氏（医療法人旭会園田病院栄養課）によって発表されたケーススタディです。この研究では、PHGGを含む流動食600kcalバッグを使用した2回投与法が、糖尿病患者の血糖コントロールにどのように影響するかを調査しました。

主な結果

- 血糖変動が安定し、HbA1c値が全症例で改善。
- 患者の糖質摂取量は減少し、食物繊維の摂取量は増加。
- 14日間の持続血糖試験で、目標血糖範囲内の時間割合が全症例で70％以上を達成。

まとめ

ネスレヘルスサイエンスは、科学的根拠に基づく栄養ソリューションの提供に努めており、これらの研究成果は患者や医療従事者にとって重要な指針になります。今後も、PHGGを使用した流動食の研究は進展し続け、様々な医療現場での課題解決に寄与していくことでしょう。これらの結果が他の医療施設の参考にもなることを期待します。