明るさと独自の感性が光る西山茉希さんのアートの魅力とは

西山茉希さんの作品は、その突き抜けた明るさと、ナチュラルな人柄がもとに形成された独自の世界観が印象的です。彼女は今年7月に開催された『世界のMUSASHI個展』で、アーティストMUSASHIとのコラボレーションに参加し、多くの企業や著名人と共に約100点の作品を展示しました。このイベントには、150以上の団体が集まり、多彩なアートが生まれる機会となりました。西山さんの作品は、特に鮮やかで明るい色使いが特徴で、見る人に元気を与える存在です。

彼女が初めてこの個展に参加することになったのは、共通の知人を介したことがきっかけでした。MUSASHIの下絵をもとに、さまざまな花や木の実、鳥、虹、そしてハートなどが埋め尽くされた彼女の作品は、まさに人生の“陽”を感じさせるものです。使用した色の鮮やかさや、余白の使い方にも彼女のセンスが光っています。「MUSASHIくんがどんな視点でキャンバスと向き合うのか、そしてその密度や描き始めた時の感情など、彼の感性に触れたい」と語る西山さんの言葉には、ものづくりへの情熱が感じられます。

彼女は幼い頃から創作活動が好きで、多忙なモデルやタレントとしての仕事をしながらも、その気持ちは今も変わらないと言います。しかし、アーティストと名乗ることには「自覚が追いついておらず、おこがましい」と彼女は謙遜します。そのため、趣味としての延長線上にある作品を作り続けたいという想いが強くなったそうです。数年前、所属プロダクションのトラブルで全く仕事ができなかった時期に、自分の気持ちを形にして大切な人への贈り物を描いた経験が彼女を創作の道へと導きました。

「仕事を通じてさまざまな形で自分を表現することと、作品を見せることは対極のように思えますが、モデルやタレントは自分そのものを商品として表に出す仕事なのです」と、西山さんは自身の仕事観を語ります。彼女は、自らを“素材”として用いながら、作品としての創作活動を楽しんでいると言います。

また、SNS上で「西山食堂」として料理を振る舞う彼女は、2人の娘さんを育てるシングルマザーの一面も持っています。表舞台で活躍する一方で、家庭ではその母親らしい顔が見えることで、多くの人に共感を与えています。彼女は「母親になったことで、仕事のありがたさや貴重さも実感するようになりました」と明かし、母親としての苦悩や孤独感も経験したことを語ります。

彼女はこの経験を通して得た「感情」を次の世代に伝えていきたいと語ります。「子育てに関する情報は多く存在するが、その中で感情面での情報は少なく、実際に体験したことをシェアすることで、同じ境遇の人々に共感や安心感を提供できるのではないか」と考えているのです。自身のネガティブな体験を隠さず、ありのままの自分を表現することで、他人にとっての励みになりたいという想いが彼女にはあります。

「自分の経験を通じて、今の自分を伝えることで、次の世代の支えになれたら」と語る西山茉希さん。今後も彼女の活動は、モデルやタレントとしての仕事にとどまらず、アートや言葉を通じて多くの人々に感動を与えることでしょう。彼女が創る様々な表現が、これからも多くの人たちに愛され続けることを期待しています。