法廷劇『十二人の怒れる男たち』
2025-03-27 10:13:52

緊迫感が漂う法廷劇『十二人の怒れる男たち』がついに上演開始!

舞台「十二人の怒れる男たち」が3月26日に東京・サンシャイン劇場でついに幕を開けました。この作品は、1954年に放送されたアメリカのテレビドラマが原作で、以来映画や舞台で数多くの版が作られてきました。今回の公演では、現代の視点から改めてそのテーマが掘り下げられ、新たな解釈による台本が使用されています。

物語は、ある殺人事件を巡る陪審員たちの評議室が舞台です。被告は18歳の少年で、父親の殺人罪で告発されています。陪審員たちは全員一致で判決を下さなければならない状況に置かれていますが、最初の投票で11人が「有罪」と主張する中、ただ1人の陪審員8番が「無罪」に票を投じます。この異議が、陪審員たちの見解を揺さぶり、事件の再検討を促すことになります。

この新訳版では、日本で上演された他の版とは異なるアプローチを取り入れており、脚本には小田島恒志氏と小田島則子氏による新翻訳が施されています。演出を手がけるのは野坂実氏で、彼は新しい舞台セットや立体的な演出を通じて、登場人物たちの人間らしさを浮かび上がらせています。

キャストも注目で、富永勇也さんが演じる陪審員8番は理論派でありながらも感情的な瞬間を垣間見せ、観客の心を掴みます。有罪を主張する3番の日向野祥さんや10番の小波津亜廉さんは、偏見に揺らされる表現が印象的です。年齢を重ねた9番を演じる桂憲一さんは、深い洞察力をもってニュートラルな意見を述べ、物語の中心である「一人の命の重み」を意識させます。

初日前会見では、出演者たちがそれぞれの役や舞台の魅力について語りました。特に富永さんが強調したのは、12人のキャラクター同士の繋がりと空気感で、観客に楽しんでもらえるよう努力しているという点です。また、日向野さんは日常の一部として役を生かすことを意識し、リアリティある演技を目指していると述べました。

この舞台は、陪審員たちの個性や背景がそれぞれ色濃く描かれており、観客を引き込む力があります。特に、自らの正義感と疑念が交錯する中で、真実に至る過程が緊迫感をもって描かれます。

「十二人の怒れる男たち」は、観劇中に人間の本質や法のあり方を考えさてくれる、まさに見逃せない作品です。原作の名作を新しい形で楽しむこの機会を、ぜひお見逃しなく!


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