ハウス食品福岡工場がCO2排出実質ゼロ化を達成
2024年12月、ハウス食品の福岡工場はエネルギー由来のCO2排出を実質ゼロに達成するという大きな成果を上げました。この取り組みは、気候変動への対応として進められるもので、同工場が製造する「バーモントカレー」や「うまかっちゃん」などの人気商品における生産過程にも影響を与える重要なステップです。環境に配慮した生産モデルが求められる現在、福岡工場の具体的な取り組みを深掘りしていきます。
企業の持続可能性を追求する新戦略
ハウス食品グループは「ハウス食品グループ長期環境戦略2050」というビジョンを掲げ、2050年までにカーボンニュートラルを実現するためのさまざまな施策を進めています。この戦略の中で、気候変動に対する責任を果たしながら、自然環境を守りつつ価値を創造する循環型モデルの構築を目指しています。福岡工場での取り組みは、その一環として位置づけられており、持続可能な生産を可能にする技術革新と仕組み作りが進められています。
CO2排出実質ゼロ化を達成するための取り組み
福岡工場では、以下の4つの主要な施策が実施されています。
1. ガスコージェネレーションシステムの導入
2020年から導入されたこのシステムは、発電と同時に熱も生成するため、効率よくエネルギーを利用することが可能です。この技術により、従来の燃料使用に比べて年間CO2排出量を1.3%削減しました。
2. J-クレジットの導入
2024年12月に導入される予定のJ-クレジットは、温室効果ガスの排出削減を目的とした制度です。福岡工場は、必要なCO2排出量を全てオフセットすることに成功し、持続可能な運営をさらに強化しています。
3. 太陽光発電パネルの設置
2023年4月には、工場敷地内に540枚の太陽光発電パネルが設置され、発電した電力は工場使用電力の5%をカバーしています。この取り組みは、再生可能エネルギー利用の拡大を目指すものです。
4. CO2フリー電力の全面導入
2024年12月から全量購入を開始するCO2フリー電力は、2023年度比で20%のCO2排出削減が見込まれています。これにより、工場全体での環境負荷のさらなる低減が期待されています。
環境配慮のさらなる推進
福岡工場の取り組みは、エネルギー由来のCO2排出ゼロ化だけでなく、環境負荷の少ない製法の研究や、生産設備の改良など多岐にわたります。廃棄物の再資源化を進め、食品廃棄物を再生可能エネルギーとして利用するなど、循環型社会へのシフトを積極的に実現しています。
未来に向けてのビジョン
ハウス食品福岡工場は、今後も循環型モデルの構築に向けて新たな技術の導入や生産方式の革新を図り続けていくでしょう。このような取り組みが、食品業界全体の持続可能性を高め、後世にわたる環境保護に寄与することが期待されます。福岡工場の挑戦は、私たちにとっても大きなインスピレーションとなります。