三陽商会、渋谷区での『服育授業』を実施
2025年9月12日、三陽商会は渋谷区立臨川小学校で初めての『服育授業』を開催しました。以前は新宿区のみで行っていたこの活動ですが、初めての渋谷区での実施は、教育の場を広げる重要な一歩となりました。これは、衣服を通じて豊かな心を育成し、物作りや持続可能性への理解を深めることを目的とした取り組みです。
服育授業の背景
三陽商会は2014年より、子どもたちのために『服育活動』を開始しました。この活動は、服を大切に着る心を育てることを目的としており、地元の小学校での授業を通じて実現されています。近年、SDGsの重要性が高まる中での環境問題への意識向上は、特にこの授業が重視される理由の一つです。
渋谷区立臨川小学校では、2024年度より新たに『シブヤ未来科』が導入され、総合的な学習の時間を充実させる取り組みが進められています。これに伴い、三陽商会の服育授業が選ばれたのです。
授業の内容
今回の授業には、6年生50名が参加しました。当日は、三陽商会の社員が講師として登場し、服がどのようにして作られるのか、業界の専門職であるデザイナーやパタンナーについての説明が行われました。児童たちは、自分たちが普段着ている服を通じて素材やリサイクルの重要性を学びながら、「SDGs」の概念をクイズ形式で楽しむことができました。これにより、環境問題と日常生活が密接に繋がっていることを感じる経験となったのです。
授業後半は、残布を利用したコースター作りのワークショップが行われました。余った素材を活用することで、アップサイクルのプロセスを実体験し、楽しみながら学ぶことができました。児童たちはそれぞれお気に入りの残布を選び、色とりどりのコースターを作成しました。この時間は、クリエイティビティを発揮しながら、環境意識を高める貴重な体験となりました。
授業を受けた児童たちは、「デザイナーの仕事は知っていたけど、パタンナーについては知らなかった」と興味を持ち、さらには「作ったコースターを敬老の日にプレゼントしたい」といった声が挙がりました。これらは、服づくりに関する新たな理解の証です。
未来への展望
臨川小学校は、環境問題や地域社会とのつながりを深めるために、さまざまな学習機会を提供しています。担当の鈴木先生は、「子どもたちが洋服の素材やそれがどのように作られるのかを知ることで、洋服に対する見方が大きく変わると思います」とコメントしています。今回の服育授業を活かして、古着のアップサイクルに繋げるファッションショーの計画もあるとのことです。
三陽商会は、今後もこのような教育プログラムを展開し、次世代のサステナブルな意識を育てていくことでしょう。この取り組みは、ファッション業界全体にとっても、環境に配慮した持続可能な社会を実現するための重要な一歩となります。