映画『国宝』の魅力に迫るスタッフトークショーのレポート

映画『国宝』スタッフトークショー開催

2025年7月5日、映画『国宝』のスタッフトークショー付き上映が、東急歌舞伎町タワー内の「109シネマズプレミアム新宿」で行われました。この特別なイベントでは、李相日監督、音楽の原摩利彦氏、音響の白取貢氏が登壇し、映画に込めた思いやその裏話を語りました。

話題の『国宝』とその音響

本フィルム『国宝』は、坂本龍一氏監修の最新音響システム「SAION -SR EDITION-」を利用して上映されることも話題となっています。このシステムにより、劇場での音響は徹底的にこだわられており、観客は音の新たな魅力を体験できるのです。

李監督は、今回のトークショーの背景にある音楽の影響力に対して強調し、「音に関わったプロフェッショナルを招いて制作秘話を話すことで、観客にもその魅力を伝えたい」と意気込みを示しました。

プロフェッショナルたちの関係

李監督は原摩利彦氏とは二度目のタッグで、白取貢氏との関係も長く、『フラガール』や『悪人』などで多くの成功を収めてきました。白取氏は原氏を初めて聴いたとき、その音楽がインスピレーションを与え、彼を日本を代表する作曲家に育てたいという強い思いで李監督に紹介したことを述べました。

このイベントでは、映画音楽における音響の役割や、音楽の持つ感情的な力について具体的に説明されています。原氏は「映画音楽は感情の裏側を探り、登場人物の心の深い部分に響く音楽を作ることが求められる」と語りました。

魅力的な音楽の制作過程

『国宝』の音楽制作にあたっては、李監督とのディスカッションが頻繁に行われ、音楽が物語の背景やキャラクターの感情にどのように寄与するかを細かく探求しました。さらに、音楽が登場人物の内面に迫ることを意識し、細心の注意を払って制作されたと白取氏も強調しました。

原氏は観客の中で質問に答える中で、難易度の高かったシーンや、音楽にどのような工夫を凝らしたかを明かしました。特に『国宝』の中の万菊のシーンが分岐点となり、音楽と歌舞伎の音源をどのように融合させるかに工夫が施されています。

新たな出会いと音楽の意義

原氏はまた、自らの音楽に対する考え方を「劇場の中でのリアルな響きを響かせたかった」と鋭い観察力を発揮しました。その結果、観客は耳で聞く音楽を通じて、劇中の物語や感情の深さに触れることができるのです。

主題歌「Luminance」の意義

トークショーの最後には、映画『国宝』の主題歌「Luminance」とその制作背景についても語られました。李監督と原氏のコラボレーションによって生まれたこの曲は、映画の終わりを華やかに彩ると同時に、観客に深い感動をもたらす要素を持っています。坂本美雨氏の歌詞も、映画の要素をうまく融合させており、作品をより一層引き立てています。

このトークショーでは、映画の制作における音楽と音響の重要性を改めて実感しました。映画『国宝』はただの映像作品にとどまらず、音楽と音響によって物語が一層深く語られ、観客の記憶に刻まれる作品になっています。引き続き、109シネマズプレミアム新宿で『国宝』を楽しむことをおすすめします。