企業連携による新しいオペレーションの提案
2025年11月13日、特殊冷凍技術を展開するデイブレイク株式会社とスキマバイトサービス「タイミー」の共催による「スポットワーク×冷凍技術の人手不足解消セミナー」が開催されました。このセミナーでは、食品業界が直面している人手不足問題を解決するための新たな選択肢として、冷凍技術とスポットワーカーの組み合わせが提案されました。
セミナーの概要と背景
食品業界では、繁忙期における労働負荷の偏りや高度な専門技術を持つスタッフの確保が課題になっています。特に、日持ちしない食品を扱う業態では、継続的な製造と納品が求められ、深夜勤務や早朝勤務が常態化しています。毎年の繁忙期には多くの人手が必要とされるため、労働力の確保がますます困難になっています。
こうした背景のもと、デイブレイクが提供する冷凍技術は「製造業務の平準化」に寄与する手段の一つとして注目されています。計画的な生産や品質の安定、スキルの標準化など、冷凍技術を駆使することで現場の改善が期待されています。一方で、「タイミー」は、柔軟な働き方を求める人材と、タイミングを活かして必要な人を確保したい事業者との橋渡しをしています。この両社が協力し、「計画生産×スポットワーク」という新しいスタイルの食品オペレーションを提案することが目的です。
タイミーによる業界サポート
セミナーの冒頭では、株式会社タイミーの流通事業部部長である蘭裕雄氏が登壇。タイミーの提供するサービスが小売や食品製造業界でどのように人材確保に役立っているかを解説しました。現在、タイミーの登録ワーカーは1190万人に達し、導入企業数も20万社を超えており、そのマッチング精度は非常に高いとアピールしました。
特に、食品小売業での成功事例として、スーパーの弁当や惣菜の調理において必要な人数を的確に確保し、利益の改善を図った取り組みが紹介されました。つまり、スポットワークは単に人手を集めるだけでなく、売上の向上にも寄与しているのです。
冷凍技術がもたらす新たな可能性
続いて、デイブレイクの宮寺夏輝氏が特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を用いた計画生産と売場改善について説明しました。この冷凍技術は、食材を高品質のまま凍結できるため、風味や食感を損なうことなく長期保存が可能です。
実際の事例として、小規模店舗で刺身の冷凍販売を行うスーパーの成功例が紹介されました。冷凍技術を用いることで、加工スペースや人材不足の問題を克服し、高品質な鮮魚の提供が実現したのです。さらに、アートロックフリーザーを使ったデモンストレーションも行われ、参加者から関心を集めました。
スポットワーク×冷凍技術の実践事例
ゲストとして登壇した株式会社ダイエーの事業部長、小林秀峰氏は、タイミーのサービスを活用している実践例を解説しました。ダイエーでは、品出しやレジ、パック詰めなど様々な業務を年間54店舗でスポットワーカーに依頼しており、「また働きたい」と思われる店舗づくりに努めています。リピート率やレビュー機能の活用によって、評価も向上しているとのことです。
加えて、ダイエーが展開する高品質な冷凍商品「冷凍dai革命」では、アートロックフリーザーを用いて自社で製造された冷凍商品が特徴です。作りたての品質を維持し、競合との差別化を図っています。冷凍商品の製造ラインでも、スポットワーカーによる凍結やパック詰めが行われており、努力次第で長期雇用に至るケースもあるそうです。
クロストーク:柔軟な働き方の未来
セミナーの最後には、冷凍技術とスポットワークの未来について議論するクロストークが行われました。ダイエーの小林氏は、実際の業務は単純作業が多く、丁寧に説明すれば対応可能と話し、働き手にとって興味を持ちやすい環境を作ることが重要だと述べました。また、繁忙期だけでなく、製造工程においてもスポットワークを取り入れることが可能であり、多様な働き方を受け入れる仕組み作りが鍵となると結論づけました。
体験型デモで冷凍の効果を実感
セミナーの後半では、参加者向けに冷凍した食品を解凍して提供する試食会が実施されました。「冷凍とは思えない」という声が続出し、美味しさの再認識がなされました。特に焼きたてのパンと冷凍したものとの比較試食では、圧倒的な味の違いが実感され、多くの参加者に新しい冷凍技術の価値が伝わりました。
総括
今回のセミナーでは、食品業界の人手不足という深刻な課題に対して、冷凍技術と柔軟な働き方が新たな解決策となる可能性が示されました。デイブレイクは今後も、特殊冷凍ソリューションを通じて食品事業者の手助けをし、業務改善や人材課題の解消に貢献する取り組みを続けていくことを目指します。