映像ジャーナリスト・伊藤詩織の新たな挑戦
この冬、いよいよ衝撃的な記録映画が日本に上陸します。映像ジャーナリスト・伊藤詩織氏が自ら描いた長編ドキュメンタリー『Black Box Diaries』が、2025年12月12日に劇場公開されることが決定しました。この作品は、彼女が直面した個人的な経験を基にしており、社会に埋もれた問題に迫ります。
事件の真実を映す
本作の背景には、伊藤詩織氏が2015年に経験した同意のない性被害という衝撃的な事件があります。この体験を経て、彼女はただの被害者に留まらず、声を上げ続ける活動家として自らの事実を記録することを選びました。自身の撮影した映像を通じて、社会の偏見や沈黙に立ち向かう姿が描かれ、視聴者に強いメッセージを届けることを目的とした作品に仕上がっています。
この映画は、製作においても数々の社会派作品で知られる「スターサンズ」が関わり、約8年の歳月をかけて完成しました。映画祭でも話題となり、既に2024年1月に行われるサンダンス映画祭でもノミネートされるなど、その評価は高まっています。
目を背けられない現実と向き合う
伊藤監督は、逮捕や証拠の偽装といった厳しい現実に直面しながらも、自らの体験を映し出す勇気を持ち続けました。その映像は、映像界のみならず、社会全体に影響を与えることでしょう。彼女は観客に対し、「一度私の名前を忘れ、身近な人の出来事として観てほしい」と訴えています。見終わった後に交わされる小さな言葉が、社会の沈黙を打ち破り、新たな変化のきっかけになると信じています。
ビジュアルも魅力的に
新たに解禁されたメインビジュアルは、映画タイトルの「Black Box」からさまざまな葛藤を抱える伊藤詩織の表情を覗かせています。黒を基調にしたデザインとは対照的に、白を基調としたビジュアルが、“ブラックボックス”が開かれることで、彼女の真実が明らかになっていく様子を強調しています。
日本における特別なバージョン
『Black Box Diaries』は、世界60か国以上での上映が予定されており、日本では特別版として公開されます。この版では、当事者の意見をもとに一部表現が見直され、より配慮ある形で提供される予定です。
伊藤詩織監督による本作は、単なるドキュメンタリーではなく、社会における沈黙を解きほぐす力を秘めた作品です。彼女の勇気ある行動が、多くの人々に感動や共感を与えることでしょう。12月の公開をどうぞお楽しみに!