aiwellが米のタンパク質解析を実施し、備蓄米の品質を確認

aiwellが米のタンパク質解析を実施

最近、東京科学大学認定ベンチャー企業のaiwell株式会社が行った米のタンパク質解析が注目を集めています。備蓄米と令和6年産米を対象に、約700種のタンパク質の詳細な分析を実施しました。これにより、両者間に大きな違いは見られず、備蓄米の品質が確認されたのです。

解析の背景と目的

aiwell株式会社設立の背景には、タンパク質バイオマーカーの迅速な探索を行う技術「aiwell IPA」があります。この技術を駆使し、炊飯前後における米のタンパク質変化の解析にも取り組んでいます。今回の実験では、主に住友商事北海道株式会社の協力を受け、様々な銘柄米及び複数原料米のタンパク質解析が行われました。

解析のメソッド

解析には、aiwell IPAを使用し、特定の10品目における709個のタンパク質スポットが抽出されました。データの比較には、平均相関係数と主成分分析（PCA）という二つの手法を用い、各品目のタンパク質特性を評価しました。平均相関係数による評価では、銘柄米同士よりも、備蓄米と銘柄米間の類似性が高いことが示されました。つまり、備蓄米も銘柄米も同様に高品質であることが確認されたわけです。

解析結果の詳細

1. 平均相関係数による評価

各品目の相関係数は1.0に近いほど類似していることを示します。この分析により、備蓄米は銘柄米と同じタンパク質プロファイルを持つ品目もあることが分かりました。これにより、備蓄米に特有のデータ傾向がないことが明らかになりました。

2. 主成分分析（PCA）による評価

PCAの結果では、全体のデータセットが銘柄米、銘柄米（北海道）、および複数原料米の3つのグループに分類されました。備蓄米はこのグループに当てはまり、特異な傾向が見られませんでした。これが、備蓄米の取り扱い品質の良さを裏付けています。

aiwellの取り組み

aiwellでは、タンパク質の解析技術を求める様々な場面に対応するためのプロテオミクスイノベーションセンター（PIC）を新川崎に開設しました。これにより、研究のスピードアップと精度向上が見込まれています。また、aiwell IPAの技術は、人々の健康管理や病気の早期発見、さらには創薬のプロセスに役立つことが期待されています。