フードロス削減へ向けた新たな一歩
世界中でフードロス削減に取り組む「Too Good To Go」が、日本法人を設立しました。この日本法人の代表に就任したのは、大尾嘉宏人氏。彼は、これまで多くの企業で事業の成長を支えてきた実績を持ち、今回の新たな挑戦に向けて熱意をもって臨んでいます。特に、関西万博への参加を機に行われるこの発表は、日本におけるフードロス対策にとって重要なマイルストーンとなるでしょう。
Too Good To Goのビジョンと取り組み
「Too Good To Go」は、余った食品に新たな価値を与えることで、フードロス削減を実現するグローバルなソーシャルインパクト企業です。すでに欧米やオーストラリアなどで成功を収めており、現在、5億食以上のフードロスを防いできた実績があります。日本市場でも、持続可能な食文化の促進に寄与することを目指し、地域の小売店や飲食店、食品生産者との連携を強化していく予定です。
大尾氏は、「事業者・消費者・社会が幸せになる“三方よし”の考え方が、Too Good To Goの根底にあります。」と説明します。日本文化の中には「もったいない」という感覚が根付いており、これとToo Good To Goの理念が結びつくことで、より持続可能な食の在り方を提案できると信じています。
日本におけるフードロスの現状
梃子入れが必要な日本のフードロスの現状ですが、国連の持続可能な開発目標(SDGs)とも関連して、日本政府は2030年までに家庭と事業者からのフードロスをそれぞれ50%、60%削減することを掲げています。環境省の発表によると、国内では年間約2,200万トンの食品廃棄物が発生しており、そのうち約464万トンがまだ食べられる状態で廃棄されています。そのため、Too Good To Goの日本法人設立は、これらの国家目標の達成に向けた一助となるでしょう。
フードロス削減を楽しむ社会に
Too Good To Goは、消費者に手頃な価格でおいしい食品を提供し、同時にフードロスを削減するプラットフォームを提供します。具体的には、各種の飲食店や食品業者から余った食材を「マジックバッグ」として消費者に販売することで、食品を無駄にすることなく、より多くの人が利用できるシステムを構築しています。
大尾氏は、「私たちのビジョンは明確です。おいしい食べ物が捨てられることなく、誰かの食卓に届けられる世界を実現することです。」と、今後の展望を語っています。日本においても、多くの人々と共にこのポジティブな変化を築いていくことを心待ちにしているようです。
大尾嘉宏人氏の経歴
大尾嘉宏人氏は、1994年に凸版印刷(現・TOPPANホールディングス)に入社し、その後も貴重な経験を積んできました。楽天グループやアゴダでの経営経験を経て、2025年からはToo Good To Goの日本法人を牽引することになります。
彼のキャリアは、さまざまな企業における成長と改善に尽力してきたことを物語っており、フードロス削減という新たな分野での挑戦が注目されています。
持続可能な未来を見据え、Too Good To Goの活動がどのように広がっていくのか、今後の展開に期待が寄せられています。