炭酸がビタミンCの浸透を向上?新たな美容研究の成果
研究背景と目的
佐賀大学と株式会社I-neが共同で進めた研究「Vitamin Cの皮膚浸透性に対する炭酸の効果」が、日本薬剤学会第40年会で発表される。この研究は、美容やスキンケアにおけるビタミンCの効果を最大限に引き出すため、炭酸がどのように関与するのかを明らかにすることを目的としている。
ビタミンCは多くのスキンケア製品に使われている有効成分で、その効果を発揮させるためには皮膚のバリアを乗り越える必要がある。しかし、これまでは炭酸がビタミンCの経皮吸収を促進するというメカニズムについての研究が不足していた。
研究方法
この研究では、異なる炭酸濃度の水溶液に2%のビタミンCを溶解し、5種類の試験溶液を用いて皮膚浸透性を評価した。具体的には、炭酸濃度0、1,000、5,000、10,000、20,000ppmの水溶液を使用し、フランツ型拡散セルを利用して三次元培養皮膚を介した透過試験を行った。
試験の途中で炭酸濃度やpH、電気伝導度などを測定。最終的には、炭酸濃度が高いほどビタミンCの皮膚浸透量が増加することが示された。
研究結果
研究から明らかになったのは、1,000ppmの炭酸濃度であっても約900ppmが残存し、5,000ppm以上では2,200ppmの炭酸が保持されるとのこと。さらに、炭酸が増加することでビタミンCの皮膚浸透量が増えることが確認された。この結果は、炭酸ガスがビタミンCの皮膚浸透係数に寄与している可能性を示唆している。
今後の展望
この研究成果は、今後の美容科学の研究や商品の開発に大きな影響を与えるものと考えられる。I-neは、炭酸が持つ皮膚透過促進効果をさらに追求し、水溶性成分や他の有用成分をうまく配合した新しいスキンケア製品の開発を目指す。
近い将来、炭酸とビタミンCの相乗効果による新しい美容製品の登場が期待され、その効果が広く知られることになるだろう。これにより、美容業界全体が新たな価値を提供できることが期待される。
株式会社I-neは、美容に関する多様な技術やサービスの提供を通じて、業界全体のイノベーションを促進し、さらに価値向上に寄与することを目指している。今後もこの研究をもとにさらなる成果が生まれることが期待される。