時代を彩った音楽家たちの足跡を辿る一冊がついに発売！

日本ポップス史を通じて見える音楽家たちの魅力

音楽は時代を映し出す鏡として、多くのアーティストたちがその時代ごとの特色を持ち、次世代へと影響を与えてきました。そんな日本の音楽シーンを深く掘り下げた一冊が、NHK出版から『日本ポップス史1966‒2023あの音楽家の何がすごかったのか』です。この書籍が光を当てるのは、吉田拓郎からVaundyまでの日本を代表する音楽家たちの足跡。彼らが成し遂げた業績や、どのように次の世代の音楽に影響を与えたのかを詳細に探ります。

本書の魅力

著者は音楽評論家であり、多数の著作を持つスージー鈴木さん。この本は、1972年から2023年まで、日本の音楽史を二つの視点「いちばんすごかった音楽家」と「いちばんすごかった時代」に分けて描き出します。実際にその時代にヒットした楽曲や、アーティストの行動、その影響をいかに分析しているのかが、本書の大きな見どころです。音楽だけではなく、その背景にある社会的な動きや文化も掘り下げているため、音楽ファン以外でも楽しめる内容になっています。

主要章の内容

新書は三つの章に分かれており、最初の「序章1972」では吉田拓郎が焦点となり、1972年の音楽シーンを丁寧に描写しています。その後、1966年から1979年までのアーティストについての解説が続き、かまやつひろしや加藤和彦、細野晴臣、財津和夫と、各々の影響力やその後の展開を紹介しています。

次に1980年から1994年までの音楽家として、佐野元春や忌野清志郎、大滝詠一、山下達郎などが取り上げられ、バブル時代の音楽シーンの変化を捉えています。さらには現代の音楽シーンにも触れ、宇多田ヒカルや米津玄師、最近ではVaundyの活躍に繋がるまでの流れを描き出しています。

音楽史を通しての発見

この本はただの音楽年表ではなく、時代を超えて「音楽とは何か」を問いかける内容です。スージー鈴木さんが深堀りした音楽的価値観やその背後にある文化現象が、私たちに新たな視点を提供してくれます。音楽がどのように進化してきたのか、そしてその中で生まれた数多くのメッセージに思いを馳せるきっかけとなるはずです。