国立文楽劇場で楽しむ、特別公演の魅力を深掘り！

国立文楽劇場では、9月6日から10月14日まで爽秋文楽特別公演が行われています。この長期間にわたるロングラン公演では、さまざまな魅力的な演目が用意されています。本記事では、Aプロ、Bプロ、Cプロの各演目について、舞台写真を交えながらご紹介します。

Cプロ『曾根崎心中』

Cプロは、毎日11時から上演される『曾根崎心中』です。近松門左衛門が、元禄16年（1703年）に書き下ろしたこの作品は、江戸時代の人気が高かったもののその後の上演が途絶えていました。しかし、戦後に復活されてからは多くのファンに支持されています。物語は、徳兵衛とお初のカップルが心中に至る過程を描いており、そのストレートな筋立てから誰でも理解しやすい内容です。

演目の中でも特に注目されるのが、映画「国宝」でも有名になった、徳兵衛がお初の足首を掴んで心中を決意する感動的な場面です。文楽ならではの表現力で描かれるこのシーンは、まさに必見です！

Bプロ『心中天網島』

次に紹介するのは、同じく近松門左衛門の作品で、14時から上演される『心中天網島』です。この演目では、心中する治兵衛と小春の二人の物語を中心に、周囲のキャラクターたちへの心理描写も巧みに描かれるのが魅力です。

治兵衛の兄や妻であるおさんなど、登場人物たちの葛藤が巧みに描かれ、心中への道が徐々に明らかになります。この演目を通じて、心中というテーマに対してより深い理解を得られるかもしれません。

Aプロ『恋女房染分手綱』と『日高川入相花王』

最後に、18時から上演されるAプロでは、『恋女房染分手綱』と『日高川入相花王』の2つの演目が楽しめます。

『恋女房染分手綱』

この物語は、名家の乳母である重の井が、幼い息子との再会を果たす話です。彼女は名家に仕える立場によって、愛する息子と一緒にいることができないという葛藤を抱えています。この心の葛藤を基本に描かれるストーリーは、観客に深い感動を与えることでしょう。

『日高川入相花王』

一方で『日高川入相花王』は、恋人の安珍を追いかける清姫が、彼に裏切られると同時に鬼となる物語です。娘の姿から一瞬で生まれる「ガブ」という変化の瞬間は見逃せず、観客を驚かせること間違いなしです。

文楽公演の観劇ポイント

文楽に初めて触れる方は「難しい」と感じがちですが、国立文楽劇場では無料の字幕サービスがあり、また、あらすじや見どころ解説付きイヤホンガイドも用意されています（800円）。これにより、初めての方でも安心して楽しむことができます。

公演の後半に突入し、AプロとCプロの上演時間が変更されていますので、注意が必要です。Bプロは変わらず14時開演となっており、ぜひ一度足を運んでその魅力を体感してください。

大阪生まれの文楽は、決して敷居の高いものではありません。「わかる」楽しさを実感しに、ぜひ国立文楽劇場へ足を運んでみてください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。