持続可能な竹文化を未来へつなぐ「竹虎」
竹材と竹製品の専門製造卸業を展開する「竹虎」。この企業が「第8回エコプロアワード」において奨励賞を受賞したことが先日発表されました。この受賞は、地域資源を最大限に活かし、持続可能な竹文化を次世代へ継承していこうという企業の姿勢が高く評価された結果です。
竹虎の取り組み
竹虎は、明治27年に創業し、131年の歴史を持つ企業です。特に高知県の須崎市に自生する
虎斑竹に焦点を当てた製品づくりを行っています。この竹は、そのユニークな虎模様が特徴で、自然の恵みを存分に活かした製品を製造しています。
受賞の理由として注目されたのは、竹林の育成・管理から製造・販売までの一貫した取り組みです。これにより、竹材の廃棄を削減し、竹資源を有効に循環させることが可能となっています。
「油抜き」と呼ばれるプロセスにおいて、約700度のバーナーで竹の成分を処理することで、その後職人が手作業で曲がりを矯正します。この作業はすべて熟練の竹職人が行い、その技術の継承も常に意識されています。
環境への配慮と新たな商品
竹は、驚くべき成長スピードを持ち、わずか3カ月で20メートル以上に達する天然資源です。また、一般の樹木と比較して多くの二酸化炭素を吸収する性質があり、地球温暖化対策としても優れた素材であることが認識されています。
竹虎では、使用できない竹の端材や品質基準を満たさない竹も無駄にすることなく、「伏せ窯竹炭」として再利用しています。これにより、消臭・調湿効果が高い竹炭製品が生まれ、家庭での使用が期待されています。
さらに、竹の皮や小枝、地下茎に至るまで「捨てる部分がない」竹の特性を最大限に活用した商品が全国に展開され、青竹踏みや草履、食品包装用の竹皮など、生活に密着した製品として広がっています。
地域経済の支援と未来への展望
竹虎は、地域経済の活性化にも貢献しています。柔軟な働き方を可能にする副業や時短勤務を導入し、持続可能な職場環境の構築を推進しています。この取り組みは、他の事業者にとってもEC参入の好機ともなっており、地域全体の循環型製造文化に寄与しています。
今回のエコプロアワード奨励賞の受賞は、竹虎が地域に根ざした循環型の製造と文化の継承を実践してきた結果です。今後も竹の魅力を最大限に活かし、持続可能な未来に向けた取り組みを続けていくとのことです。
企業情報
竹虎株式会社は高知県須崎市に本社を構える竹材メーカーです。特産の虎斑竹をはじめ、竹製の様々な製品を提供しています。詳しい情報は、公式ウェブサイトでご覧ください。
竹虎公式サイト