様々な経験を文化に変える「透明な履歴書フェス」
2026年、東日本大震災から15年が経過します。この節目に、合同会社COTOLXが企画する「透明な履歴書フェス in 台湾」が注目を集めています。主催は、震災経験を持つ川島琴里。その背景やコンセプトを探ってみましょう。
震災経験と履歴書に書けない時間
川島琴里は、2011年3月11日に宮城県で起きた東日本大震災を体験しました。停電の中、自宅で不安を抱えながら過ごした日々は、彼女の人生に深い影響を与えました。しかし、震災そのものだけでなく、その後の「履歴書に書けない時間」が重要だと彼女は強調します。このプロジェクトでは、震災を特別な出来事としてではなく、それぞれの人生の一部として再考することからスタートしました。
人生の再出発と新たな挑戦
震災後、川島は病気を患いました。この闘病生活で、彼女は仕事や社会との繋がりを一時失います。再びフリーランスとして活動を始めましたが、最初の月の収益はわずか38円。辛い時期を経て、彼女は「履歴書には書けない時間」の大切さに気づきました。この経験が、他者のストーリーを尊重し合える場を作りたいという想いに繋がり、プロジェクトへと発展していきました。
「透明な履歴書」の概念
このプロジェクトの中核となるのが「透明な履歴書」という考え方です。人生には、履歴書に表れない努力や経験が存在します。震災、コロナ禍、病気、それぞれの経験が「何かを乗り越えてきた時間」として、私たちを形作っています。この「見えない時間」にこそ、価値があると川島は語ります。
台湾との結びつき
震災当時、台湾は多くの援助を日本に届けてくれました。その感謝の気持ちもプロジェクトの底にあります。今回のフェスティバルは、震災を直接扱うものではなく、台湾との文化交流を通じて、参加者それぞれの人生の時間を再評価し、文化として発信する試みです。
フェスティバルの内容
「透明な履歴書フェス in 台湾」では、様々なプログラムを予定しています。例えば、浴衣を着て楽しむ「浴衣ランウェイ」や、自らの経験を語る「人生プレゼンテーション」セッション、日台アーティストによるライブステージ、そして「灯籠メッセージ」企画で見えない時間を見つめ直す取り組みがあります。参加者からもストーリーを集め、帰国後にはオンライン配信などを通じて瞬間を共有していく計画です。
人生ストーリーを広めるプラットフォーム
このフェスティバルでは、参加者のSNSや配信チャンネルが一種の「放送局」として機能します。日々の投稿や動画は、後に良質な口コミやコンテンツとなり、オンライン上で長く残り続ける「消えない広告」としての役割も果たします。この仕組みは、ただの出演に留まらず、参加者の人生ストーリーを長期的に広めるプラットフォームとして設計されているのです。
主催者の想い
「透明な履歴書フェス」に寄せる川島琴里の想いは深いです。「あの日の出来事も、病気で苦しんだ時間も、全てが「見えない時間」でした。でも特別な時間ではなく、誰の中にもあるものだと思っています。だからこそ、このプロジェクトでは一人の物語ではなく、多くの人々の人生を尊重できる場を創りたい」と語ります。
このプロジェクトは、震災から始まった様々な経験を文化として発信する新しい形を模索しています。国際交流と文化創造の中で、私たちの見えない時間を再評価し、共有することが期待されます。
イベント概要
- - イベント名:透明な履歴書フェス in 台湾
- - 開催日:2026年9月中旬(予定)
- - 会場:台北市内の屋内会場
- - 主催:合同会社COTOLX(川島琴里 代表)
この「透明な履歴書フェス」は、単なるイベントに終わらず、参加者全員が「人生の時間」に寄り添い、共に歩む機会となることでしょう。