奈良市立小学校で体験した弦楽器に夢中になった子供たちの感想

奈良市立富雄北小学校での特別な弦楽器体験

2023年9月9日、奈良市立富雄北小学校では、約80名の小学2年生がバイオリンの試奏体験をしました。この体験はいわゆる「弦楽器体験事業」で、奈良市内の9つの小学校で実施されることになっています。普段、音楽の授業で触れることの少ない弦楽器を通じて、子供たちが音楽を愛し、感性を育てることを目的としています。

音楽による新たな触れ合い

この日の授業は視聴覚室で行われ、専門の弦楽器トレーナーが子供たちを指導しました。4名のトレーナーは、一般公募で選ばれたバイオリン、ビオラ、チェロの専門家たちです。トレーナーからの楽器の説明を受け、さらにグループに分かれてのマンツーマン指導では、初めて触れる楽器に子供たちは興味津々で、耳を傾けていました。

生演奏に心踊る

特に、トレーナーたちが演奏したアニメやクラシックの名曲には、子供たちの心が躍ったことでしょう。美しい音色に導かれ、児童たちは自然と手拍子をしたり、耳をすませたりして、芸術の世界に浸っていました。試奏が終わった後、それぞれの子供たちは「緊張した」「すごいきれいな音だった」「また弾きたい」と笑顔で感想を語りました。

様々な奏者たちとその思い

この事業の背景には、奈良市の「Japan National Orchestra（JNO）」との提携があります。音楽を通じて地域の文化を発信し、活性化を目指す取り組みが評価され、JNOのメンバーによるコンサートや体験会も大反響を呼んでいるとのことです。

実際、今回参加したトレーナーたちはプロとして活動する方々で、多くの応募の中から選ばれた精鋭たちです。彼らは音楽大学の生徒や現役の演奏家として、音楽をもっと身近にするために活動しています。応募者の中には男性は4名に対し、女性が30名というデータもあり、多くの女性がこのプログラムに関わっています。

トレーナーの紹介

具体的なトレーナーの中には、兵庫県立西宮高校音楽科を卒業後、フランスに渡った大橋ひささんや、国立音楽大学卒業の瀬田ひとみさんがいます。彼女たちは、それぞれ多くの経験と実績を持ちながら、次世代の音楽教育にも力を入れています。福井優希さんや清水絵理さんのような才能あふれるトレーナーも参加し、児童たちに音楽の喜びを直接伝える機会を提供しています。

子供たちに贈られた作品

この日演奏された曲目には、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」からの行進曲や、シュトラウスの「ラデッキー行進曲」が含まれており、子供たちが親しみやすい曲調が選ばれていました。これらの曲は世代を超えて愛される名曲であり、児童たちの心にも深く刻まれたことでしょう。

未来に向けて

今後もこの「弦楽器体験事業」は続いていく予定であり、奈良市の全公立小学校に広がっていくことが期待されています。音楽が子供たちの未来にどんな影響を与えるのか、目が離せません。子供たちにとって、この貴重な体験が一層の成長と新たな夢を与えてくれることでしょう。音楽がもたらす力の偉大さを、改めて感じさせてくれる一日でした。