リユースで伝統工芸を守る「旅皿」
日本の美しい伝統工芸品を次世代へと繋ぐ器のリユースサービス、「旅皿」が2025年度のグッドデザイン賞を受賞しました。この受賞は、器に込められたストーリーや、その経緯を大切にした新たな流通の形を示すものです。
なぜ「旅皿」が選ばれたのか?
「旅皿」の核となるコンセプトは、「物語のあるお皿たち」です。これは、さまざまな料理人たちが愛用し、使い終えた和食器に、新たなストーリーを付加し、価値を見出す仕組みです。これまで多くの器は、未成熟な二次流通市場により無価値とされ、廃棄されていました。しかし「旅皿」は、そのような器を再び流通させることで、その背景にある歴史や料理人の思いを伝え、消費者に新たな価値を提供しています。
どのように運営されているのか?
「旅皿」で取り扱われる和食器は、主に京焼・清水焼や九谷焼といった、伝統的な工芸品です。株式会社Culture Generation Japanが運営する飲食店向けの和食器サブスクリプションサービス「CRAFTAL」の利用を通じて、全国の陶芸作家や窯元から直接仕入れられます。これにより、つくり手に継続的な経済効果が還元される仕組みが整っています。
このプロジェクトは、2024年12月以降、商業施設や百貨店での販売を通じて循環を更に拡大し、新たな経済的回路を築いています。また、使い手の立場でも器の旅が続くことを目指し、サステナブルな未来の実現に向けて活動しています。
「旅皿」を通じた文化の継承
「旅皿」では、商品説明に料理人による魅力的な紹介が掲載され、さらに窯元や作家の情報を組み合わせてストーリーを伝える仕掛けが施されています。これにより、消費者は単なる商品を超え、深い理解と愛着を持って器と向き合うことができます。
評価される理由
グッドデザイン賞の審査委員からは、「物語によって価値を与え、新たに人とモノを繋ぐためのイノベーションが評価されました」とのコメントが寄せられています。この取り組みが、工芸品を一般の方々に身近にする文化的意義を持ち、同時に飲食店の不要品回収の課題解決にも寄与していることが高く評価されたのです。
販売先と今後の展開
「旅皿」は、東京都中央区のTOI BLDG. Onland Store及びそのオンラインショップで販売しています。さらに、さまざまなイベントを通じて、より多くの人々にこの魅力を伝え続けていく計画です。「旅皿」の未来にどうぞご期待ください。
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まとめ
「旅皿」は、ただ器を再利用するだけではなく、ストーリーを通じてその価値を再定義する試みです。これからも日本の伝統工芸を守り、将来の世代に繋げるため、力強い活動を続けていくでしょう。あなたもぜひ、「旅皿」を通じてこの物語の一部になりませんか?