母乳とアレルギー
2025-06-24 12:23:04

食物アレルギーを考える:母乳成分の変化とその影響について

食物アレルギーと母乳の関係を探る



新生児の栄養に関する研究は、近年ますます注目を集めています。特に、食物アレルギーの増加が深刻な社会問題となっている中、母乳と食物アレルギーの関係性もテーマとして取り上げられています。2025年6月21日、雪印ビーンスターク株式会社が第24回新生児栄養フォーラムで発表した最新の研究結果は、母乳成分の重要性を再確認させるものとなりました。

食物アレルギーの現状


近年、食物アレルギーの罹患者数が増加傾向にあり、多くの場合、3歳までの子どもが生後12か月以内に発症していることが報告されています。母乳は乳児期における唯一の栄養源として、その成分が児のアレルギーに与える影響が注目されています。しかし、以前から行われている研究にもかかわらず、母乳栄養がアレルギーにどのように関与するのか、明確な結論には至っていません。

ビタミンDの重要性


母乳に含まれるビタミンDの役割は特に重要で、妊娠期や育児期のビタミンDが食物アレルギーとの関連性が示唆されています。日光浴が少なくなっている現代では、母乳中のビタミンD濃度が低下している可能性があります。実際、過去30年のデータを比較すると、現代の母乳にはビタミンDが以前よりも少なくなっていることがわかります。特に季節や日照量が濃度に影響を与えていることも示されました。

DHAとサプリメントの影響


また、DHA(ドコサヘキサエン酸)が食物アレルギーに対して抑制的に働く可能性もあります。しかし、日本人の魚介類の摂取量は年々減少しており、特に若年層ではその傾向が顕著です。結果として、現代の母乳中DHA濃度は低くなっています。逆に、DHAサプリメントを積極的に摂取していた授乳婦では、母乳中のDHA濃度が向上するといった研究結果も見られています。

乳酸菌と免疫成分の変動


さらに、母乳中のTGF-βという免疫成分が食物アレルギーやアトピー性皮膚炎のリスクを抑えるとされ、乳酸菌の摂取によってその濃度が変動します。授乳中の母親を対象に行った試験では、3種類の乳酸菌を2か月間摂取することで、母乳中のTGF-β濃度が増加することが明らかになっています。

研究の今後の展望


雪印ビーンスタークは、今後も乳幼児の栄養学に基づいた研究を推進し、食物アレルギーの予防に向けた取り組みを強化していく予定です。医療機関や研究機関との連携を通じて、母乳の成分や母子の生活環境に関する包括的調査を続けていくことで、赤ちゃんとママが安心して過ごせる未来を築くことを目指しています。

このように、母乳の成分と食物アレルギーの関係についての研究は、まだまだ発展途上です。しかし、母乳の持つ力を理解し、活用することで、未来の世代を健やかに育てるための大きな一歩となるでしょう。


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