ポーラの新発見！デスモグレイン1糖化研究が示す美肌のカギとは

最近、ポーラ化成工業株式会社が行った研究で、皮膚の角層にある主要成分、デスモグレイン1が糖化されていることが初めて確認されました。これが角層の正常な剥離機能に影響を及ぼす可能性があるとのことで、美容業界に新たな光を当てる発見となりました。

角層の役割と構造の重要性

皮膚の最外層である角層は、細胞が積み重なることによって形成されています。角層の細胞同士は「コルネオデスモソーム」と呼ばれる、接着タンパク質複合体によって結びついています。この構造は肌のバリア機能や保湿力を維持し、そのためのターンオーバーを支える重要な役割を果たしています。

ターンオーバーとは、古い角層細胞が剥がれ、新しい細胞が生まれるサイクルのことです。しかし、コルネオデスモソームが適切に切断されないと、過剰に角層が積み重なり、肌が硬くなり、柔軟性やハリが失われてしまいます。この研究が示したのは、糖化されたデスモグレイン1がその切断を妨げ、正常な角層剥離を困難にしているという点です。

デスモグレイン1の糖化とその影響

ポーラの研究チームは、デスモグレイン1の糖化がどのように肌に影響を与えるのかを解析しました。具体的には、健常な皮膚から採取した角層サンプルを用いて、糖化の度合いと分布を観察しましたその結果、糖化が進行するほど、デスモグレイン1が細胞の中心部にまで残存していることが分かりました。

このことは、糖化が進んだ角層では、デスモグレイン1が切断されにくくなり、古い角層が剥がれ落ちることなく蓄積してしまうことを示唆しています。最終的には、肌の表面が硬化し、内側から肌の張りや弾力を実感しにくくなるという悪循環を引き起こすのです。

糖化予防の新アプローチ

研究の進展により、コルネオデスモソームが正常に機能するためには、デスモグレイン1の糖化を防ぐことが非常に重要であることがわかりました。そこで、糖化を予防する植物エキスの研究も行われました。その結果、ワイルドタイムから抽出されたエキスに、糖化を防ぐ強力な効果があることが確認されました。

このエキスを配合した製品は、デスモグレイン1の糖化を抑制し、角層剥離を正常に保つ助けとして期待されています。肌の柔らかさやハリを保つための新たな製品が生まれる可能性があるのです。