ハンドベルの未来を切り開く『プロローグ』の誕生とその挑戦

ハンドベルのプロフェッショナルとして活動する藤田美千子氏が、世界でも類を見ない「ハンドベル練習用モデル『プロローグ』」を開発しました。この楽器は、音楽大学や専門学校に専攻がないため、ハンドベルを学びたいと願う若者たちが多くの障壁に直面しているという現状から生まれたものです。彼女は、これまで奏者が育たなければ文化が消えてしまうとの危機感を抱き、独自にこの楽器の開発に乗り出しました。

『プロローグ』の開発背景と革新性

藤田氏は、発表が控えた『プロローグ』の開発にあたり、イングリッシュハンドベルを学ぶための最適な練習環境を提供することを目指しました。既存の常識を覆す行動が必要だと感じた彼女は、ヘラ絞り職人や地元企業とのコラボレーションを通じて、練習用ハンドベルというまったく新しい領域を切り開きました。

特に注目すべきは、特許を取得した「クラッパーアーム揺動機構」です。この革新的な機構は、特に演奏の際の重量や操作性を考慮した設計がなされており、奏者が演奏しやすいよう工夫が凝らされています。特許出願は技術保護の目的だけでなく、「次世代に残す文化装置としてのハンドベル」を守る意志の表れでもあります。

2025年展示会での新たな試み

2025年12月3日から5日まで東京ビッグサイトで開催される「高精度・難加工技術展2025」では、『プロローグ』のクラッパー機構が展示され、実際に試打することが可能です。この展示は、単なる楽器の発表にとどまらず、日本の音楽文化を変えていく重要な一歩となります。

展示には、藤田美千子氏自らが手がけたハンドベルの設計や、福﨑昌宏技術士の発明品が並ぶ予定です。彼女は「この『プロローグ』にハンドベルの未来を託します」と語り、才能を見つけられない若者が増える現状を打破し、誰もがハンドベルに触れられる環境作りの重要性を訴えています。

次世代の奏者を育てるために

藤田氏は、「ハンドベルの未来を誰もが学べる環境を提供することが、私たちの使命です」と力強く語ります。『プロローグ』は、初心者が楽器の基本をマスターするのに最適で上級者には高度な技術を磨くための助けとなる設計が施されています。そのすべてには、彼女の情熱と次世代への期待が詰まっています。

私たちは、この新たな楽器を通じて、未来の奏者が夢を描ける世界を実現します。ぜひ、『プロローグ』の音色を感じてみてください。この新しい一歩が、次世代のカルチャーを育む礎となることを願っています。