ブラジル音楽界の注目アーティスト、ヒカルド・バセラールが待望のライブ映像をリリースしました。5月30日に配信が始まったこの作品、『Ricardo Bacelar ao vivo no Cineteatro São Luiz』は、彼が母国ブラジルのセアラ州フォルタレーザでの熱いパフォーマンスを収めたものです。バセラールはこれまでに2015年の『Concerto para Moviola』、2020年の『Ricardo Bacelar ao Vivo no Rio』に続く、3作目のライブ映像となります。この新たな作品は、SpotifyやApple Music、Tidalなどのストリーミングプラットフォームで視聴可能で、一部の日本国内店舗ではCDとしても販売されます。
バセラールによる今回のライブは、六重奏グループとの共演で行われ、彼自身のアルバムから厳選された楽曲が披露されました。特に彼は自らの楽曲や、デリア・フィッシャーとの共演で知られる作品を含めることに重きを置いています。彼は「このライブはブラジル音楽に対するオマージュであり、私の音楽的旅路を示すものです」と語ります。
また、ヒット曲『トタウメンチ・ヂマイス(Totalmente Demais)』も特別にアレンジされて追加されました。この曲についてのバセラールの思いは深く、かつての同グループのメンバーとして演奏するのは初めての経験だったとのこと。彼は長い間ハノイ・ハノイでの演奏を通じて自信を培ってきたと振り返ります。
ライブのハイライトの一つは、ベルキオールとのコラボレーションによる「ヴィッシオ・エレガンチ(Vício Elegante)」です。これはダークでメランコリックなリズムで、バセラールの現代的なアレンジが光ります。それだけでなく、シコ・ブアルケやカエターノ・ヴェローゾなどの名曲も新たな解釈で演奏され、彼の技術と感性を強く感じられます。「曲を新しい形で演奏することこそが、私のアプローチです」と彼は力強く語ります。
サンルイス劇場でのパフォーマンスでは、バセラールは主にボーカルを担当し、キーボード、ギター、打楽器など多才に演奏しました。これにより、彼は自身のアルバムにもそのスタイルを反映させているとのことです。音楽に関する彼の哲学は、ただ技巧を見せるのではなく、いかにクリエイティブな貢献をもたらすかということに結びついています。
バセラールは、自身のレーベル「ジャスミン・ミュージック」を通じ、ブラジル音楽の質の高い制作を支援しています。彼はブラジルが持つ文化的、一体的な多様性を誇りに思っており、その豊かな音楽が国の核心を形成していると確信しています。これまでに多くのアーティストの作品を手がけてきた彼ですが、今後も新たな挑戦を続けていく予定です。
新しいライブ映像は、Dolby Atmosでのミキシングが施され、視覚的にも聴覚的にも楽しめる内容です。「舞台の熱気やパフォーマンスの親密さを観客に伝えたい」との思いを込めて制作されたこの作品は、多くのカメラで撮影されています。バセラールは、音楽には国境がないと信じ、国際的なつながりを強化していくつもりです。また、来年にはアメリカでの活動も視野に入れ、さらなる成長を目指しています。
バセラールの音楽旅は留まることを知らず、ファンへのサプライズとして、ハノイ・ハノイの30周年記念アルバムのリリースイベントも控えています。音楽好きのあなたも、この新しいライブ映像を通じて彼の魅力を感じてください。