DJ先駆者髙橋透の自伝『DJバカ一代』が待望の電子書籍に
音楽シーンに新たな変革をもたらした髙橋透の自伝『DJバカ一代 ディスコとクラブの黄金時代を紐解くDJ先駆者の自伝的ストーリー1975-1995』が、ついに電子書籍として登場します。初版が2017年に刊行されてから18年、音楽ファンからの長年のリクエストに応える形で、2025年4月30日に発売されることが決定しました。
貴重な音楽史の証言集
この本では、東京やニューヨークの伝説的なディスコやクラブの数々が登場します。六本木の「エンバシー」や「アフロレイキ」、赤坂の「マンハッタン」など、当時のクラブ文化を体現する場所が詳細に描かれており、DJとしての髙橋透の成長を追体験することができます。また、NYの「ザ・セイント」や「パラダイス・ガラージ」といった国際的な名所も紹介され、髙橋透とラリー・レヴァンの貴重な交流についても触れられています。
音楽評論家の松岡正剛氏も本書を「松岡正剛の千夜千冊」で取り上げ、当時のクラブ文化の変遷を評価しています。彼の言葉を借りれば、「90年代には一挙に消えてしまった懐かしい場所たちが思い出される」ということです。このように、『DJバカ一代』は単なる自伝に留まらず、東京とニューヨークという二つの都市におけるディスコシーンの歴史を鮮やかに描き出しています。
髙橋透とはどんなDJか
髙橋透は1957年に生まれ、70年代初頭からDJとしての活動を始めました。特に、80年代にニューヨークに渡ったことが彼のキャリアにおいて大きな意味を持っています。当時、ニューヨークのクラブはゲイカルチャーやハウスミュージックの聖地であり、彼はそれらの中で多くの音楽的な体験を重ねていきました。その後、東京に戻り、名だたるクラブでDJを務めました。
彼のプレイスタイルは、当時の音楽トレンドを巧みに組み合わせる点にあり、特に「ツバキハウス」や「クラブD」でのパフォーマンスは若者たちに絶大な支持を受けました。さらに、88年には芝浦の「ゴールド」のオープンに関わり、ハウスミュージックを国内に浸透させる役割を果たしました。
新しい形での発信
そして今、古き良き時代を振り返りつつ、現代の音楽シーンに新たな息吹を吹き込む『DJバカ一代』。デジタル化が進むこの時代に、電子書籍として手軽に楽しめる形でその魅力が再確立されることは、多くの音楽ファンにとって嬉しいニュースです。
この機会に、著者髙橋透が記すディスコとクラブの黄金時代を体験し、かつての熱い夜に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。歴史の中に埋もれていた音楽の原点を掘り起こすこの本を通じて、私たちの未来に繋がるヒントを見つけてみましょう。
詳細情報はリットーミュージックの公式ウェブサイトでご覧いただけます。