流行を超えて、特別で贅沢な朝食を楽しむ生食パンの物語

朝焼けが静かな工房に射し込む中、私たちは今日も「ゆめちからもちもち生食パン」を焼き始めます。生食パンブームが過ぎた今も、ここでは毎朝新たに生食パンが生まれ、流行の波に逆らって私たちの思いを込めたパンを焼いています。このパンには、私たちの誇りと絶え間ないこだわりが詰まっているのです。

ゆめちからとの出会い

物語の起源は、北海道・十勝の社員が実家から送った小麦粉「ゆめちから」。これを使ってパンを作ることを考えた私たちは、一斤のパンを試作しました。その一口の驚きは、まさに運命の瞬間。「なんてもちもちなんだ！」と自然な甘みが広がり、みんなの笑顔が絵になる瞬間でした。

しかし、初めての挑戦は決して簡単ではありませんでした。「ゆめちから」は超強力粉で、普通のパンと同じように焼くと、驚くほどの固さに。私たちはしっとりとした食感を求め、何度も失敗を繰り返しながらも「この魅力を活かしたい」と挑戦を続けました。

手間を掛けた湯種製法

試行錯誤の中、私たちが辿り着いたのが「湯種（ゆだね）製法」です。熱湯を加えた小麦粉を一晩寝かせ、手間暇を惜しまないこの製法が、味わい深い食感と風味を引き出すことを知りました。効率的とは言えない方法でしたが、「これしかない」と感じたのです。

この製法により、焼き上がったパンはずっしりとした重みと弾力を持ち、香りに満ちた工房でスタッフ全員が笑顔になる瞬間でした。

こだわりの素材と製法

「ゆめちからもちもち生食パン」の最大の魅力は、そのもちもち感としっかりした弾力にあります。生地の水分量を抑え、密度を高めることで、噛むたびに心地よい弾力が際立ちます。また、たっぷり使った発酵バターと「ゆめちから」小麦の相乗効果で、風味豊かなパンが完成するのです。

さらに、天然酵母を使用することで、小麦の香りや甘みを際立て、穀物のほのかな香りも楽しめます。特に「湯種製法」による弾力としっとり感は、他のパンと一線を画す特別さを感じさせてくれます。

日常を特別にする「ちょうどいい贅沢」

私たちが追求したのは「パン以上、ケーキ未満」の存在感です。ただのパンではない特別感を、毎日の食卓に届けるために。トレイとリボンで飾られたパッケージは、贈り物のような華やかさを添えています。

焼きたての香ばしさは、トーストすれば一層際立ち、香り高く贅沢な朝ごはんに変身。昼には厚切りして具材を乗せ、夜にはバターをたっぷり塗って味わえば、日常のどんな瞬間にも特別な背伸びをしてくれる存在となります。

グランプリ受賞の喜び

2025年にジャパンフードセレクションでのグランプリ受賞の際、私たちはただ喜んで良しとするのではなく、この歩みを振り返りました。「やってきて、本当に良かった」と思える瞬間でした。審査員からの「日常を非日常に変えてくれる」との言葉が、私たちの挑戦を正当化してくれたのです。

未来に向けて

グランプリを受賞した今、私たちの物語は新たなスタートを切ります。このパンを通じて、日常に少し特別な笑顔を添えられるよう努め続けます。流行が過ぎても変わらない「ゆめちからもちもち生食パン」の魅力を、多くの人に届けようと、今朝も小麦と酵母の香りが漂う工房で意気込んでいます。

「今日も素敵な一日になりますように」と願いながら、私たちは焼き続けます。