魚肉ペプチドで犬の健康をサポート
鈴廣かまぼこ株式会社が、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンと協力して行った研究によって、魚肉ペプチドが犬の健康改善に寄与する可能性があることが明らかになりました。この研究は、2025年に開催された日本水産学会秋季大会で発表されました。研究の主な目的は、飼い犬の食いつきや毛並みの状態、さらにはストレスレベルの改善を確かめることでした。
研究の背景
魚肉タンパク質はその消化性能の高さから、健康増進に有効な素材として注目されています。特に、魚肉から得られるペプチドは、抗酸化活性を持ち、ヒトに対しても疲労感軽減の効果が確認されています。ペットフード市場では、機能性を備えた製品が求められており、動物の生活の質(QOL)を向上させることに資する素材として魚肉ペプチドが期待されています。
研究方法と結果
今回の研究では、20頭の犬を対象として、魚肉ペプチドを含む飼料を30日間与えました。具体的には、体重10kgあたり8gの魚肉ペプチドを添加し、毎日定期的に給餌を行いました。食いつきの向上、毛並みの改善、ストレスレベルの低下を確認するために、視覚的評価(VAS法)を用いて結果を検証しました。
魚肉ペプチドを摂取した犬は、食いつきが顕著に向上しました。また、毛並みの状態も良くなり、30日目には有意な改善が観察されたことが分かりました。特に、被毛に含まれるコルチゾールの量が減少し、ストレスが軽減される効果も確認されました。この結果は、ペットにおける健康管理においても魚肉ペプチドが有効であることを示唆しています。
魚肉ペプチドとは
魚肉ペプチドは、かまぼこの製造過程から得られる魚のすり身を酵素で分解して作られる成分です。このペプチドは、アミノ酸が組み合わさったもので、通常の食事よりも早く効率的に体内に吸収される特徴があります。最近の研究では、運動後の疲労回復にも効果が期待されています。また、犬における研究からは、食いつきの改善、毛並みの健康促進、ストレス軽減などに寄与することがわかり、機能性ペットフードの開発が進められることが期待されています。
ピースワンコ・ジャパンプロジェクト
特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンは、危機的状況にある動物保護を目的とした活動を行っています。国際的な支援を通じて、犬の保護と譲渡活動に取り組んでおり、「日本の犬の殺処分ゼロ」を目指して努力しています。このような活動が背景にあることで、ペットフードの開発もさらに意味のあるものとなっています。
鈴廣かまぼこの取り組み
鈴廣かまぼこは、160年もの歴史を持ち、伝統的なかまぼこ製造技術を駆使して新たな商品開発を進めています。アミノ酸が豊富な魚肉を使った製品づくりを通じて、健康な生活をサポートすることを目指しています。魚肉ペプチドの研究が進む中、今後もペットの健康維持に貢献する製品が登場することが期待されます。
このように、魚肉ペプチドの摂取は犬にとって多くの健康効果をもたらす可能性があることが研究によって示されました。今後、さらに多くの研究が進み、ペットの養生に役立つ新たな発見が生まれることを望みます。