持続可能な未来を目指す!9社が協力しケミカルリサイクルを推進
昨今、環境に優しい取り組みが求められる中、著名な企業9社が協力して新たなケミカルリサイクルのプロジェクトを開始しました。プロジェクトには、キリンホールディングス、JEPLAN、TDK、村田製作所、花王、ファンケル、キリンビバレッジ、ペットリファインテクノロジー、そしてアサヒ飲料が参加しています。この取り組みは、飲料用ペットボトルや非食品用途PETを対象とし、リサイクルの新たな可能性を探るものです。
計画の目的と背景
このプロジェクトの目的は、PET樹脂のリサイクル概念を進化させ、従来のリサイクル方法では解決できなかったプラスチック資源の循環問題に取り組むことです。具体的には、使用済み飲料用ペットボトルだけでなく、工業用フィルムや化粧品ボトルなどの非食品用途PETもリサイクル原料として活用する計画です。これにより、資源の有効活用が期待されます。
リサイクルのプロセス
プロジェクトでは、TDKと村田製作所が製造過程で出る工業用PETフィルムの端材を提供し、花王とファンケルは店頭で回収した使用済み化粧品ボトルを供給します。また、キリンビバレッジは自動販売機用の不要な商品サンプルを提供することにしています。これらの素材はペットリファインテクノロジーにおいて化学的にリサイクルされ、再生PET樹脂として各社に供給される流れです。最終的には、再生PET樹脂の品質を評価後、飲料や化粧品のボトルなどに採用される予定です。
今後のスケジュール
キリンビバレッジでは、4月から部分的にこの原料を使用した飲料用ペットボトルの製造を開始し、花王も5月から化粧品ボトルへの適用を進めます。アサヒ飲料は10月以降の導入を計画しており、ファンケルも検討が進められています。これにより、徐々に市場に新しいエコフレンドリーな製品が流通することとなるでしょう。
企業間の協力の意義
この取り組みは、JEPLANの革新的なCR技術とキリンのパッケージイノベーション研究所が有する食品容器としての品質管理技術を組み合わせたものです。各社が共同で取り組むことで、更なるプラスチックの再利用効率向上や温室効果ガスの排出削減にもつながることが期待されています。
持続可能な社会を実現するためには、企業の枠を超えた協力が不可欠です。今回のプロジェクトはその一歩を踏み出すものであり、今後の動きにも注目です。