花王の新たな進展「スマートガーデンローズマリーエキス」
花王株式会社が開発した「スマートガーデンローズマリーエキス」は、ロズマリン酸の純度を高め、肌の角化健全化に優れた効果を持つことが確認されました。この研究成果は、日本薬学会および日本化粧品技術者会で発表されます。
環境に配慮したスマートガーデンとは?
花王は佐賀県佐賀市に独自の植物工場「SMART GARDEN」を設立し、CO2を回収・精製することで環境負荷を削減しています。この工場では、ローズマリーやローマカミツレの水耕栽培を行い、栽培条件を厳格に管理することで、植物の成長を促進し、活性成分の増量を実現しています。
スマートガーデンローズマリーエキスの効果
最新の研究では、スマートガーデンローズマリーエキスを正常ヒト表皮角化細胞に添加し、肌機能に関連する191種類の遺伝子の発現変化を評価しました。その結果、角化機能に関する遺伝子の発現が増加し、角化にかかわるタンパク質の生産量も従来のローズマリーエキスよりも増加することが示されました。
角層構造の強化
また、角層の構造を強化する膜状構造(CE)についても検証が行われ、スマートガーデンローズマリーエキスを添加した細胞は、従来エキスよりも大きく、細胞膜の状態が良好であったことが確認されています。これにより、角層細胞の成熟度が高まることが示されました。
ロズマリン酸の優位性
一方、従来のローズマリーエキスにはロズマリン酸以外の成分も含まれており、これが角化健全化効果に影響を及ぼす可能性があることが分かりました。研究により、特定の成分(ベツリン酸)がロズマリン酸の効果を抑制することが明らかにされ、スマートガーデンローズマリーエキスはこの成分を低減することで、角化健全化効果が向上しています。
まとめ
今回の研究により、花王はロズマリン酸の純度を高めた新たなローズマリーエキスを開発し、その角化健全化効果が従来のものより高いことを示しました。この取り組みは、環境負荷を減らすだけでなく、肌への優しさを追求する製品開発にも繋がっており、今後の展開が期待されます。花王は引き続き、自然環境に配慮した高機能エキスの生産を進め、生活者の満足感を向上させることを目指しています。