村松英俊の個展『Return to Stone』が虎ノ門で開催
2025年11月21日(金)から2026年1月12日(月・祝)にかけて、虎ノ門のアートギャラリー〈art cruise gallery〉にて村松英俊の個展『Return to Stone』が開催されます。この展示会は、ものに宿る気配をテーマにし、石という素材を通して記憶や関係性を再定義する作品が揃います。
展示の狙いと背景
村松は大学院時代から「ものに宿る気配」という概念に着目し、過去の使用跡や時間の痕跡を持つオブジェクトを石の形に変えることで消えゆく記憶を未来へとそのまま橋渡しすることを目指しています。石の持つ悠久の時間性と、人の作った道具の儚さが交錯し、その中で新たな存在の形を見出しています。
彼の作品は、偶然の出会いや日常の中で感じる直感に根ざしています。村松自身が心に留めたモチーフだけが選ばれ、バイクやスケートボード、ギター、ヘッドホンといったアイテムが彫刻へと変化します。これらは彼の個人的な記憶や憧れとリンクしており、人と物との関係に新たな視点を投げかけます。
作品のテーマとタイトルに込められた意味
『Return to Stone』というタイトルには「すべての始まりは石にある」という深い思考が込められています。人間が作り出す鉄やガラスも、最終的には鉱石から生まれ、また石に戻るという循環を視覚化した作品群は、時間の流れをゆったりと感じさせ、見る者に存在意義について静かに問いかけます。
展覧会の詳細
- - 作家名:村松英俊(Hidetoshi Muramatsu)
- - 展覧会名:Return to Stone
- - 日程:2025年11月21日(金)〜2026年1月12日(月・祝)
- - 会場:art cruise gallery by Baycrew’s
東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー3F
- - 営業時間:11:00〜20:00(19:30最終入場)
村松英俊のプロフィール
村松英俊は1988年に静岡県で生まれ、2016年に東北芸術工科大学大学院彫刻領域を修了しました。彼は既製品の一部を石に置き換える作品を手がけ、作品を通じて物の形状を石化させ、時に逆方向からアプローチします。主な展覧会として、2025年には『Return to Stone』が日本橋高島屋美術画廊で開催され、2024年には京都での個展『time』や、長野のマツモト建築芸術祭への参加が予定されています。
イベント情報
メディア内覧会は2025年11月20日(木)に行われ、作家が在廊する時間帯も設けられているとのことです。さらに、レセプションも同日17:00から19:30に予定されています。
ギャラリーについて
art cruise gallery by Baycrew’sは、アートとファッションが交差する空間であり、様々なジャンルの作品を取り扱っています。鑑賞スタイルに制約を設けないことで、観客の主体性を引き出し、アート体験を無限に広げることを目的としています。
村松英俊の『Return to Stone』は、単なるアート展示にとどまらず、我々が日常で忘れがちな物との関係性を再考させる機会となることでしょう。ぜひ、彼の作品を通じて新たな視点を体験してみてください。