革新をもたらす『DS-CYCLE』
ファッション業界が環境問題や生産効率の向上を急務とする中、精巧株式会社が新たな一歩を踏み出しました。特許を取得した3D CADを駆使した一貫生産システム『DS-CYCLE』は、2025年から本格導入される予定です。このシステムは、3Dグラフィックシミュレーションからインクジェットプリントまで、全ての工程をデジタル化し、サステナビリティを重視した新しい製造プロセスを実現しています。
デジタルシームレス工程の構築
『DS-CYCLE』は、3Dグラフィックのシミュレーションを基にして、2Dグラフィックパターンやグラフィックマーキングを行い、それをインクジェットプリントへとつなげる流れが特徴です。これにより、各工程のスムーズな連携がもたらされ、無駄のない生産が実現可能に。さらに、裁断機やプリント機器を自社工場に設置することで、外部要因に左右されない生産ラインを確立します。
この流れはのちに、製品コストの削減にもつながります。無駄のないグラフィックマーカーを採用し、使用箇所以外にプリントする必要がないため、生地やインクの使用量が最小限に抑えられ、裁断後の端材もリサイクルしやすくなります。
環境に優しいプリント技術
さらに、精巧が導入するKornit社のインクジェットプリント機器は、通常の顔料プリントよりも柔らかい仕上がりが特徴です。前処理や後処理に水を一切使用しないこの技術は、環境への負荷を大幅に軽減します。また、白色の活用や3D風、刺繍風など立体感のあるテキスタイル表現も可能に。デジタル技術と組み合わせることで、独自のファッションアイテムが誕生するでしょう。
デジタルワークシェアによる異業種連携
精巧は、依頼者との協業を通じて3Dデジタルデータを利用した可視化を推進。これにより、最終製品の精度が向上し、迅速な意思決定が可能となります。業界全体のデザインや製造プロセスにおいて、デジタルワークシェアを活用し、連携を強化することで、多様なニーズに応える体制を構築しています。
持続可能な未来のために
精巧は長年の経験を活かし、国内生産のさらなる発展を目指します。2025年には、チャレンジとして千葉の縫製工場にソーラーパネルを設置し、クリーンエネルギーの利用を90%に引き上げる計画です。これにより、B-Corpの取得を目指し、世界標準に準じたデジタルおよびサステナブルな製造を進めていく考えです。
今後も、精巧株式会社がもたらす新しい製造技術と環境配慮型のアプローチに注目していきたいですね。