汗に負けない！日焼け止め膜の新たなメカニズムを解明

日焼け止め新発見！汗の影響を可視化する技術の魅力

猛暑が続く中、日焼け止め製品の重要性は高まっています。毎年、厳しい日差しから肌を守るために多くの女性が日焼け止めを使用しますが、使用時には「汗で日焼け止めが剥がれやすい」といった悩みも多く聞かれます。そこで、ポーラ化成工業株式会社が横浜国立大学と共同で開発した新技術が、日焼け止めの汗による剥がれ方を可視化することに成功しました。その成果を詳しく見ていきましょう。

日焼け止めの剥がれ方は4タイプ！

この研究によって日焼け止めが汗でどのように剥がれるのかが明らかになり、なんとその挙動は「溶解型」「剥離型」「分裂型」「保持型」の4つのタイプに分類されることが判明しました。この新しい分類方法は、これまでの評価法では見えなかった特性を浮き彫りにしており、これにより今後の製品開発が大いに期待されます。

例えば、「溶解型」は汗に触れると一部が溶け出しやすい特性を持ち、「保持型」はしっかりと肌に密着し、汗による影響を受けにくい特性があります。それぞれのタイプについて、日焼け止めがどのように汗と反応するのかを知ることができるのです。この情報は、今後の新しい日焼け止めの開発に向けた重要な基盤となります。

理想的な日焼け止めを実現する要素

また、ポーラの研究チームは、理想の製品を作るために必要な要素も導き出しました。日焼け止めは、1. 水になじまないこと、2. 膜が強靭で均一であること、3. 肌への密着性が高いこと、この3つの条件を満たす必要があると考えられるのです。4つの剥がれ方がそれぞれ異なる背景を持つため、今後は各タイプに応じた処方の設計が進められるでしょう。これによって「使い心地」と「耐久性」の両立が進むことが期待されています。

日焼け止めを超えた製剤開発への可能性

さらに、この研究から得られたOCT技術（Optical Coherence Tomography）は、スキンケア製品の膜の状態やメイクアップ膜の評価にも応用が可能です。この技術は、化粧品の膜機能設計や感触改善において、人々の美しさを引き出すための革新的なツールとなるでしょう。実際、本研究の成果は日本化粧品技術者会の学術大会でも高く評価され、口頭発表部門のTOP3に選ばれました。