持続可能な食に向けた新たな取り組み
昨今、環境問題が深刻化する中、私たちの食生活に対する意識が変わり始めています。特に、気候変動や生態系の劣化がさまざまな食品供給に影響を与えている現状において、持続可能な食の重要性が再認識されつつあります。こうした背景を受け、三菱食品株式会社と株式会社三菱総合研究所(MRI)が共同で「持続可能な食」を実現するための研究を開始しました。
持続可能な食の課題
近年、異常気象や土壌・海洋の劣化が目立ってきており、これが食料供給に脅威をもたらしています。特に、日本では葉物野菜や魚介類、さらにはコメの供給にも影響が顕在化しています。その原因の一つとして、環境の変化が挙げられていますが、供給側の食料サプライチェーンも一因とされています。国連の報告書によると、食料システムは温室効果ガスの排出や生物多様性の喪失に大きな影響を与えることが指摘されています。
現在、日本国内でも食品産業の持続可能な発展が強く求められており、環境課題に対する解決策が進められています。しかし、持続可能な食を提供するサプライヤーが経済的利益を得られない現実があり、消費者はその価値を認識しきれていないという問題もあります。
消費者の行動変容がカギ
持続可能な食の実現には、消費者の意識変革が不可欠です。三菱食品とMRIは、生活者の行動を変えるための施策において、3つの重要なポイントを特定しました。
1.
消費と生産の分断:日本では、食や農についての意識が低いことが問題視されています。消費者は食材がどのように生産され、供給されるかを実感しにくい状況にあります。
2.
生活者メリットの追求:消費者が環境や社会課題に目を向けるためには、まず自身の生活にどのようなメリットがあるかを意識することが重要です。たとえば、料理の楽しさやコスト削減につながるアイデアが、そのきっかけとなり得ます。
3.
体験・実践積み上げ型アプローチ:単なる「啓発活動」では不十分であり、それぞれのメリットを土台にして、消費者が食品や農業に対して積極的になるための支援が必要です。
今後の研究計画
三菱食品とMRIは、今後これらのポイントに基づく具体的な施策を検証していきます。具体的には、
1. 体験型の施策がどのように消費者の購買行動に変化をもたらすかを調査すること。
2. 環境に配慮した購買行動の促進に対する施策の効果を測定すること。
3. 施策が事業者の経済的な成果に与える影響を検証すること。
これらの研究成果を踏まえ、食品流通業界を中心に持続可能な食の実現に向けた具体的なアクションを促進していく予定です。私たちの食生活が今後どう変わっていくのか、ぜひ注目してほしいと思います。