次世代防災食プロジェクト
2025-08-27 04:25:26

地方創生と防災食が融合した新たな挑戦「次世代防災食プロジェクト」始動

地方創生と防災食が融合した新たな挑戦



日本は自然災害の多い国であり、特に南海トラフ巨大地震の脅威は現実のものとなっています。このようなリスクに立ち向かうため、徳島県の海陽町、福岡県の吉富町、宮崎県の高鍋町の3自治体が立ち上げた「次世代防災食プロジェクト」は、従来の防災食の概念を刷新し、「美味しく、地域を支える資産」を目指す取り組みです。

1. プロジェクトの背景



防災食は、一般的には「命をつなぐための非常食」として考えられてきましたが、その多くは保存性や簡便さを優先しており、味や栄養、環境への配慮が欠けていました。結果として、多くの人々が「これを食べることが苦痛」と感じる状況が生まれ、一方で自治体は期限切れの食品を廃棄する際の負担に悩まされてきました。また、小規模自治体にとっては、防災備蓄の費用が財政を圧迫し、依存から脱却できない現状があります。

2. 本プロジェクトの挑戦



「防災食」を単なる備蓄品から「楽しめる資産」として再定義し、地元資源を活かして生産することがこのプロジェクトの狙いです。3つの町が協力し、ふるさと納税やEC販売を通じて受益する新しいモデルを構築することで、防災食が収益化され、環境への配慮も同時に育まれます。

防災食の第一弾:海陽町



特に注目されるのは、徳島県海陽町です。こちらは南海トラフ巨大地震の影響を最も受けやすい地域の一つであり、非常に高リスクです。人口約8,000人の町では、高齢化や人口減少が進行しており、「町民が流出すれば町そのものが消滅しかねない」という危機感から、防災を「町の文化」として根付かせています。海陽町が開発した防災食は、特産品である阿波尾鶏と地元の食材をふんだんに使用し、フランス料理界の巨匠、坂井宏行シェフの監修により誕生しました。

吉富町と高鍋町の挑戦



福岡県の吉富町と宮崎県の高鍋町も、特に小規模ながらも「SDGs未来都市」として選ばれており、地域の文化や食を生かす挑戦を進めています。吉富町では「こどもまんなか宣言」を掲げ、住民一人ひとりの生活に寄り添った町づくりを行い、高鍋町では教育と産業をつなげ、防災食を通じて地域の活性化を図っています。

3. 未来への展望



このプロジェクトは、単なる非常食を超えた「次世代防災食」なるものを生み出す可能性を秘めており、全国に広がるモデルケースとしての役割も果たすことを目指しています。3つの町の連携によって、小さな自治体でも可能な取り組みが進められ、次世代の防災への道筋が示されています。

4. 今後のスケジュール



2025年には、歌舞伎座で防災に関する啓蒙イベントが行われ、その後、ふるさと納税を通じた流通が開始される予定です。このプロジェクトを通じて、地域発の防災食が日本中に広がり、環境や経済への貢献も期待されます。

防災と地方創生が一体となり、地域から全国へと広がるこの取り組みは、未来の防災モデルとして重要な意義を持つものとなりそうです。私たちの生活がどのように変わるのか、注目が集まります。


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