新たな価値創造の舞台「Shall we curate?」シンポジウム開催のお知らせ

新たな価値創造の場としてのシンポジウム「Shall we curate?」

2023年9月19日（金）、京都大学で行われるシンポジウム「Shall we curate?」は、現代におけるキュレーションの社会的役割に焦点を当てたイベントです。このシンポジウムでは、「キュレーションは社会とどう接続し、社会をどう動かすのか？」という問いを中心に、異なる分野の専門家たちが集まり、キュレーションの持つ潜在能力を探ります。

なぜキュレーションが重要なのか？

私たちの時代は、さまざまな領域が交差し、再構築され続けています。その中で、キュレーションという行為は「つなぐ」だけでなく、新たな共感や価値を生む活動へと進化しています。キュレーションは、社会を単なる人間の集合体としてではなく、物や概念、環境などさまざまな“アクター”によって構成されるネットワークとして捉えるアクターネットワーク理論（ANT）の視座を基にしています。

この理論に基づき、キュレーターはエージェントとして、異なる領域の知識や実践が交わり、新しい関係価値を生むための役割を果たしています。

シンポジウムの内容

当日は、哲学者エマヌエーレ・コッチャ氏を基調講演者に迎え、植物の知覚や環境倫理、美しさの流動性といったテーマを通じて、キュレーションの新たな可能性に迫ります。また、脳神経科学者の神谷之康氏をはじめ、異分野で活躍するゲストがパネルディスカッションを行い、キュレーションがもたらす“関係価値”について深く探求します。

イベントの最後には、音楽家原摩利彦氏によるピアノパフォーマンスが行われ、音楽を通じて日本文化のイメージが何重にも重なり合う中で、新たな解釈が生まれます。

多角的な知覚体験を提供する

このシンポジウムでは、講演やパネルディスカッション、アート展示、さらにはパフォーマンスなど、五感と知性を同時に刺激する多様なプログラムが用意されています。会場は、情報を受け取るだけでなく、参加者自身が積極的に考えを展開し、体験を通じて新たな視点を得る場となるでしょう。

参加者には、キュレーションの未来を共に考える仲間として、新しい視点やアイデアを持ち帰っていただけることを期待しています。最終的には、つながりの美学やエコロジーの感性、関係の倫理についても考える機会となることでしょう。