天羽明惠シューマンの新たな音楽の旅
2025年10月29日にリリースされるソプラノ歌手・天羽明惠の待望のソロアルバム、
『女の愛と生涯&レーナウ歌曲集』。この作品は、愛と人生の深遠な感情を探求する内容で、特にシューマンの二つの代表作が収められています。ベルリンやドレスデンの著名な歌劇場で活躍する天羽が、近年はその卓越したスキルでリート歌手としても注目を集めています。
ドイツ歌曲の傑作群
アルバムに収められたのは、シューマンの
《女の愛と生涯》と晩年に書かれた
「レーナウ歌曲集」の2作品。これらは異なる時代の作品でありながら、愛と人生の様々な側面を美しく映し出す“対の自画像”的な構成となっています。
《女の愛と生涯》— 理想と現実
この歌の中では、クラーラ・シューマンへの理想の夫像を描きつつ、それに見合う存在になりたいという願いが込められています。しかし同時に、シューマン自身の経済的窮地に置かれた現実も背景にあります。彼の願いと現実が交錯するそこに、深い感動を呼び起こす要素があふれています。
「レーナウ歌曲集」— 愛の終焉とは
「レーナウ歌曲集」は、
《女の愛と生涯》からおよそ10年後に書かれた作品です。この曲集では、愛の終焉と苦悩が描かれ、シューマン自身の挫折が反映されています。時間の流れとともに変化する愛の形、その繊細な描写は聴くものに深い印象を与えます。
繊細な共演者たち
ピアノの伴奏を担当するのは、優れた音色で知られるジークムント・イェルセットです。彼は天羽の声と見事に絡み合い、音楽作品にさらなる奥行きを与え、聴く者を引き込む力を持っています。
アルバム詳細
新アルバムは、
AACL-2002(CD)としてAA CLASSICSから発売され、価格は税込み3,300円です。歌詞対訳も付いているため、より深く作品を理解することができます。
【収録曲】
- - ローベルト・シューマン
- - クラーラ・シューマン
・女の愛と生涯 作品42
・フリードリヒ・リュッケルトの『愛の春』よりさまざまな詩 作品37(抜粋)
・待雪草 作品79の27
・夜の歌 作品96の1
など、豊かな内容が展開されます。
天羽明惠の歩み
天羽明惠は、リリックな声質で聴衆を魅了し、多方面で高く評価されています。1995年に五島記念文化賞オペラ新人賞を受賞し、欧州デビューを果たした彼女は、以降もドイツを中心に数多くの歌劇場や音楽祭で活躍しています。また、東京オペラNEXT理事やロッシーニ協会の運営委員としても、若手歌手の支援やオペラ普及活動に尽力しています。
お知らせ
アルバムのリリースに合わせて、2025年11月1日(土)には東京オペラシティ リサイタルホールで
天羽明惠 ドイツ歌曲シリーズも開催されます。新たな音楽の旅をぜひ体験してみてください。
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