ADOLFO DOMÍNGUEZがマドリード・ファッションウィークで新コレクション「Zenit」を発表
スペインを代表するファッションブランド、ADOLFO DOMÍNGUEZ(アドルフォ・ドミンゲス)が2023年9月17日、マドリードで行われたメルセデス・ベンツ・ファッションウィーク・マドリードで新たな春夏コレクション「Zenit」を披露しました。このコレクションは、ブランドの哲学「しわは美しい」を体現し、ミニマリズムを追求し、人生の複雑さを服を通じて表現するものとなっています。
マドリード・ファッションウィークの重要性
マドリード・ファッションウィーク(MBFWMadrid)は、スペイン最大のファッションイベントであり、国際的な場でスペインのデザインをアピールする重要なプラットフォームです。40周年を迎えたこのイベントでは、各国のデザイナーたちが一堂に会し、新たなトレンドを発信する機会となります。そんな中、「Zenit」はコレクションのオープニングを飾り、注目を集めました。
コレクション「Zenit」の核心
「Zenit」とは「天頂」を意味する言葉で、理想の境地を目指す姿勢が込められています。この新コレクションでは、成功を求める道のりが直線ではないことを受け入れ、その中に新しい美しさを見出そうとする試みが行われています。衣服のデザインにもその思いが反映されており、軽やかさや解放感を追求しています。
デザインディレクターのティジアナ・ドミンゲスは、実験的なスタイルを通じて衣服が体から解放され、独特の着こなしが可能になると述べています。例えば、スカートのデザインはウエストバンドから離れ、流れるようなドレープを形成し、シャツの袖は肩から自然に垂れ下がる様子がユニークな美学を表現しています。
繊細なクラフツマンシップ
上昇への道のりを反映した努力は、巧妙なクラフツマンシップによって表現されています。刺繍ジャケットは、フリンジのような揺れを生み出す反復的で丁寧なステッチが施されており、ニットドレスには厚手のキュプラ糸が装飾の役割を果たしています。さらに、コレクション全体に共通するストライプモチーフは、継続性と成長を象徴しています。
カラーパレットと素材の選択
コレクションのカラーパレットは、自然との調和を基にしたナチュラルトーンで構成され、ブルーやサーモンピンクのアクセントが印象的です。また、素材選びには、同ブランドの象徴的な哲学「La arruga es bella(しわは美しい)」が現代的に解釈され、コットンやレザー、リネンなどの自然素材がふんだんに使用されています。これにより、動きに応じた光と影の美しさを楽しめるようになっています。
国際的な影響力の拡大
ADOLFO DOMÍNGUEZの国際展開も目覚ましい成果を上げています。現在、49カ国に366の店舗を展開しており、2025年には海外での売上が42.6%に達する見込みです。この背景には、単なる商業的成功を超えた文化的価値創造への取り組みがあります。また、2026年には創立50周年を迎える同ブランドは、その歴史を背景に、今後も世界的な影響力を持ち続けるでしょう。
まとめ
「Zenit」は、ADOLFO DOMÍNGUEZがファッションを通じて人生のストーリーを詩的に表現する試みの集大成とも言えます。複雑な道のりを歩む中で、真の美しさと深い意味を見出すことの重要性を提示しています。ADOLFO DOMÍNGUEZの新たな挑戦に、ますます注目が集まることでしょう。