日本生協連が進める2025年度の戦略と新たな取り組みの全容
2025年度に向けて、日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、地域生協の事業概況や今後の活動方針、さらには宅配事業や店舗事業における取り組みを強化する計画を発表しました。特に、エシカル消費やサステナビリティへの対応に力を入れ、地域の組合員たちとともにその実現を目指します。
宅配事業の現状と未来
2024年4月から11月までの宅配事業は顕著な成長を見せました。前年と比較して、受注高は101.2%を記録し、特に点単価の上昇が寄与しています。宅配センターでは改善提案や実証結果を共有して、経費構造の変化を目指しています。また、AIを活用することで配達コースの最適化も進めており、これにより走行距離を短縮し、業務の合理化を図っています。「TRY CO・OP」と呼ばれる取り組みでは、若年層向けの宅配サービスを展開しています。
店舗事業の動向
店舗事業においても、2024年の実績は2022年を上回る成長を示しています。ゴールデンウィークやお盆などの大型連休中は、イベントの再開により来店客数が増加しました。物価高騰が影響し、食料品価格が上昇する中、客単価は伸長していますが、実質賃金の低下により、利用点数は前年を下回っています。新規出店は4店舗どまりでしたが、生鮮強化や便利な商品ラインナップの拡充に努めています。
コープ商品の供給状況
2024年度の総供給高は3894億円と前年比100.8%を達成し、コープ商品事業供給高は2719億円でした。一方、カタログ事業の供給高は391億円であり、ギフト事業は29億円となり、いずれも前年を下回っています。これらの数字は、コープ商品の人気や需要が変化する中でのデータとして注目されます。
2025年度に向けた新たな取り組み
2025年度には「推しコープ全国キャンペーン」を実施します。このキャンペーンでは、組合員が推すコープ商品を全国にシェアし、より多くの人々にコープ商品を知ってもらうことを目的としています。
生協は地域のニーズに応じて、価値を訴求する努力を続けており、より良い商品作りや価格への取り組みを進める意向を示しています。
また、10月から11月には「くらし応援全国キャンペーン」を通じて、特別価格で商品を提供し、組合員の生活をより豊かにする取り組みも行います。
エシカル消費への取り組み
2024年度のエシカル消費商品は前年比108%を記録し、約2661億円の期待が寄せられています。エコマーク認定商品やFSC認証商品が牽引力を持ちながら、2025年度にはさらに拡大を図る美しい未来社会の実現に踏み出します。
賞の受賞や持続可能な社
2024年にはエコマークアワードで最優秀賞を受賞し、持続可能な社会に向けた新たな基準に挑戦する姿勢が評価されました。また、通販部門では不要な羽毛ふとんの無料回収サービスを行い、今後も持続可能なライフスタイルを支える取り組みを進める予定です。
これらの施策を通じて、日本生協連は地域全体の生活を支え、持続可能な消費を推進する体制を整えています。将来的には、組合員自身が得られる価値を高め、人々の生活に寄り添ったサービスを提供し続けることが期待されます。