キリンビバレッジと自治体が進めるペットボトルの水平リサイクルの取り組み

持続可能な社会に向けた一歩

キリンビバレッジ株式会社は、神奈川県の寒川町と茅ケ崎市、さらに豊田通商と手を組み、ペットボトルの水平リサイクルに関する協定書を締結しました。この取り組みは、地域内での資源循環を促進し、二酸化炭素の排出抑制を目指すものです。協定は2023年2月18日に正式に結ばれ、これからの環境への貢献が期待されています。

地域とともに目指すリサイクル

新たに結ばれたこの協定に基づき、寒川町と茅ケ崎市で集められた使用済みペットボトルは、まず粉砕され、洗浄などの工程を経て、豊田通商によってリサイクルPET樹脂に再加工されます。その後、再生された樹脂は新しいペットボトルへと生まれ変わり、キリンビバレッジが提供する一部商品の製造に使用される予定です。これにより、キリンビバレッジ湘南工場がある地域でのペットボトルの循環が促進され、地域の資源を有効活用することができるのです。

年間240トンのリサイクルを見込む

本プロジェクトによって、対象地域で年間約240トンのペットボトルの水平リサイクルが可能になると予測されています。そして、この取り組みは単にリサイクルを進めるだけでなく、市民や町民への分別回収に関する啓発活動も行い、環境意識を高めることへもつながります。このように、地域の人々と協力することで、持続可能な社会に向けた具体的な行動を起こす重要なステップとなるでしょう。

日本におけるリサイクル事情

現在、日本では使用済みペットボトルは様々な用途でリサイクルされていますが、2023年度には「ボトルtoボトル」リサイクルの割合が約33.7％にまで達しています。しかし、ペットボトル以外で再生されたものを再度ペットボトルに加工するのは非常に難しく、また、回収された際に異物が混在していると、リサイクルの促進を妨げる要因になります。そのため、良質な使用済みペットボトルを安定的に確保することが急務なのです。

今後の展望

プラスチックを循環する社会の実現には、再生PET樹脂のコストを抑えることが必要不可欠です。そのためには、回収プロセスの効率化が重要な課題となります。このスキームを採用することで、質の高い使用済みペットボトルの確保が期待でき、持続可能な社会の促進に寄与すると考えられます。

キリングループは、自然と人を大切にしながら、「食と健康」の新たな喜びを広げ、心豊かさを提供することを目指しています。このような取り組みが評価され、今後も持続可能な発展に寄与していくことが期待されています。