STAFF STARTがアメリカ市場に進出
日本の株式会社バニッシュ・スタンダードが開発したスタッフDXサービス「STAFF START」が、今後のビジネス展開としてアメリカ市場に進出することを決定しました。この発表は、世界最大級の小売展示会「NRF 2025: Retail's Big Show」での出展を通じて実現する予定です。
ビジネスの実態と背景
「NRF 2025」は2025年1月12日から14日まで、ニューヨークのJacob Javits Convention Centerで開催され、このイベントはリテール業界の先端技術やトレンドが集結する場所となります。「STAFF START」では、ブース番号8113で現地の小売企業に向けたサービスの紹介やデモ体験を実施します。
「STAFF START」は2016年9月にサービスを開始して以来、国内外で3,075のブランドに導入され、26.9万のスタッフが従事しています。年間流通額は2,091億円に達し、オンライン接客を通じてスタッフの新たな活躍の場を提供しています。このサービスは、店舗スタッフが自社ECサイトやSNSを通じて顧客に直接接客できる機会を持つことで、従業員の評価や報酬制度を改善してきました。しかし、アメリカ市場には店舗スタッフによる接客の文化が薄く、特にカジュアルブランドでは公式サイトにスタッフが立つことが一般的ではありません。
アメリカ進出の戦略
アメリカ市場においては、スタッフのエンゲージメントや体験価値の向上が求められており、そもそも小売業全体の人手不足問題が深刻化しています。この課題を解決すべく、「STAFF START」は「Empower Staff, Transform Retail」というテーマのもと、米国市場への展開を図ることとなりました。日本市場での成功をベースに、業界のトレンドやニーズに応える形でサービスを提供することで、米国の小売業界でもスタッフの重要性を再認識してもらう狙いがあります。
代表取締役CEOのビジョン
バニッシュ・スタンダード代表の小野里寧晃は、アメリカ進出に至るまでの自らの経験を語ります。彼は2022年にロサンゼルスやニューヨークを訪れ、さまざまな店舗スタッフと直接対話をし、実際に彼らが「このブランドが好きだから働いている」と語る姿を見て、心を打たれたそうです。小野里は「今後、物価上昇により彼らの状況がさらに厳しくなっていく中で、彼らの『好きを諦めない世の中を作りたい』」と熱く語っています。
国際ビジネス戦略アドバイザーの視点
さらに、STAFF STARTの国際ビジネス戦略アドバイザーであるSophie Abrahamssonは、アメリカ市場においてSTAFF STARTが持つ特異な位置付けを強調しています。彼女は、セレブインフルエンサーとユーザー生成コンテンツの間のギャップを埋めることで、ブランドの信頼性を高める手助けを行います。このアプローチによって、リアルな小売環境でのブランド大使の重要性が強調され、スタッフの貢献に対する正当な評価も得られるとしています。
今後の展望
「STAFF START」の米国進出は、ただの市場拡大にとどまらず、ブランドスタッフが抱える問題に対する解決策を提供する意味合いを持つのです。サステナブルなビジネスモデルと、スタッフの活躍を支援する仕組みを整えることで、従業員の体験価値を高め、結果としてブランドそのものの価値向上へとつなげていくことでしょう。私たちは、このプロジェクトを通じて、スタッフ一人ひとりが持つ力を最大限に引き出し、業界のスタンダードを変えることを目指していきます。今後の展開から目が離せません。