ミルボン、ロート製薬、Haleonジャパンの共同配送で持続可能な物流を実現

ミルボン、ロート製薬、Haleonジャパンの共同配送による物流改革

2025年8月より、株式会社ミルボン、ロート製薬株式会社、Haleonジャパン株式会社の3社が共同で配送を行う新たなシステムを導入します。この取り組みは、持続可能なサプライチェーンの構築を目指すもので、物流効率の向上を図ります。

背景

物流業界は慢性的な人手不足や、ドライバーの過重労働が課題となっています。これによって、業界全体の持続可能性が脅かされているのが現状です。荷主である各社は、物流効率を向上させ、安定的に製品を届けるための手段として、これまでも2段積みを採用してきましたが、さらに進んだ効率化が求められていました。その中で、共通の配送ルートを持つ3社が協力し、共同配送システムを構築する運びとなったのです。

共同配送の取り組み内容

各社の課題

- ミルボンは自社の製品を三重県から埼玉県の倉庫まで輸送する中で、積載効率と過剰供給リスクに直面していました。
- ロート製薬も、製造拠点から倉庫への輸送において、製品規格の影響で平積みが必要になるケースがあり、輸送時に余剰空間が生じていました。
- Haleonジャパンでは、委託生産した製品の物流が課題となり、同様に積載率が低下していました。

これらの課題を踏まえ、各社が共同配送を行うことで、積載技術や製品選定の見直しが行われました。また、製造拠点と倉庫をリレー方式で繋ぐ体制を整え、効率化を促進しました。

具体的な効果

共同配送により、以下のような効果が期待されています。

- 積載率が13.7%向上（66.5%から75.6%へ）
- トラックの年間輸送台数が102台削減（67.1%）
- 総輸送距離も15,428kmの削減が見込まれます（38.6%）
- CO₂排出量も13.3t-CO₂の削減（32.8%）が期待されています。

これにより、輸送コストが18.4%改善され、運行単価も19.2%向上しました。

今後の展望

今年度は月1回の頻度で共同配送を実施しており、これを週1回へと増便する予定です。さらに、成功事例やノウハウを活かし、他の協力企業も増やすことで、更なる拠点の拡大を目指しています。また、物流テクノロジーの自動化を進め、効率的な運営を実現することが期待されています。サプライチェーンの上流から下流にかけての持続可能性を高めることを目指し、環境問題に対する取り組みを強化していきます。