TISと味の素冷凍食品の画期的な業務効率化
近年、企業の持続的成長に向けた業務の効率化が求められています。特に、データ駆動型の意思決定を行うためには、信頼性の高い情報基盤が必要です。そんな中、TIS株式会社が味の素冷凍食品に導入した企業経営管理統合プラットフォーム「CCH Tagetik」が注目されています。本記事では、この導入事例を通じて両社の取り組みを探ります。
CCH Tagetikの導入背景
味の素冷凍食品は、1970年に創業した冷凍食品業界のリーディングカンパニーです。「AJINOMOTO BRANDギョーザ」や「ザ★®」など、数多くのヒット商品を展開し、年間1億パック以上を販売。そんな同社が、今後の成長を見越して迅速な意思決定を支えるためにデータ基盤を構築する必要に迫られていました。
特に課題となっていたのが、次年度の予算策定作業と月次の実績管理です。従来のExcelシートを用いた業務は、手間がかかり、エラーが発生しやすく、業務負荷が増大していました。また、長年使用していた月次実績管理システムは老朽化が進み、新たな機能の追加が難しい状況でした。そこで、味の素冷凍食品は新たなシステム導入の検討を始めました。
TISとCCH Tagetikの選定理由
味の素冷凍食品は、最初にBIツールのトライアルを行いましたが、ビジネスロジックに合ったデータ加工に限界がありました。そこで、経営管理プラットフォームEPM(Enterprise Performance Management)に注目し、ウォルターズ・クルワー社の「CCH Tagetik」が有力な候補として浮上。特に、配賦の柔軟性と大規模な明細データ処理能力が立証されたことが、TISとの提携の大きな要因となりました。
これにより、味の素冷凍食品は、TISと共同でのプロジェクト推進を決定しました。各担当者の専門知識を活かしたチーム体制が構築され、具体的な要件定義や導入スケジュールの策定が進められました。
プロジェクトの進行と効果
プロジェクトは2023年1月にスタートし、2024年4月には実運用を開始する見込みです。導入により、年間約120時間の業務時間削減が見込まれ、損益レポートが即日作成可能になるなど、業務の効率化が実現されています。
「CCH Tagetik」の特徴は、予算管理や実績管理の自動化であり、これによりデータ収集が効率化され分析業務に集中できる環境が整いました。加えて、各事業部門や商品別での売上、利益の進捗をリアルタイムで把握できるようになったことで、意思決定の質も向上しています。
今後の展望
味の素冷凍食品はさらに進化を図り、財務会計と管理会計の完全な統合を目指しています。将来的には、親会社へのレポーティングパッケージの自動化を視野に入れ、多角的な業務評価と戦略的な意思決定ができる体制を整えていくとのことです。
まとめ
TISと味の素冷凍食品の協力による「CCH Tagetik」の導入は、単なる制度の刷新にとどまらず、職場環境を一新し、業務の質を向上させる機会を提供しています。今後の進展が非常に楽しみです。詳細は公式サイトでも確認できますので、ぜひご覧ください。