日本食を世界に届ける新たな挑戦
福岡県に本社を構える株式会社ビーエイトシーのグループ会社、株式会社B.Continueが運営する那珂川キッチンが、国内製造の冷凍弁当をアメリカ及びカナダに輸出することに成功しました。2025年2月から現地での販売がスタートし、最初の店舗では720食が3日間で完売するなど、注目を集めています。これにより、福祉事業と障がい者雇用の支援が進むことが期待されています。
この取り組みは、単なるビジネスの展開にとどまらず、障がい者の雇用促進にも深く関わっています。自社工場で働く障がい者の方々が製造に携わることで、海外輸出が新たな就労支援へとつながる可能性が広がっています。これまでに累計で2万6000食を輸出済みで、2025年7月末までに5万食を目指す計画も進行中です。
社会貢献としての側面
今回、海外市場に挑む背景には、障がいがある方々の「就労支援」という社会的意義があります。同社の自社工場は、就労継続支援A型の福祉事業所と連携しており、障がいのある方々が製造に関わっています。この新たな挑戦が、多くの方の雇用拡大に寄与し、さらなる支援の手を広げることを目指しています。
国際的な市場への進出は、製品の安全性と品質を保証するための厳しい基準をクリアする必要があります。特にアメリカでは、食品医薬局による検閲が厳しく行われており、その課題を乗り越えたことで、このプロジェクトは大きな実績となりました。つまり、日本の食文化を世界に紹介するだけでなく、障がい者支援が国際的に評価される機会ともなったのです。
メニュー内容と開発背景
今回の冷凍弁当は、素材の良さを重視し、日本食らしい優しい味わいが特徴です。自社工場で製造されるこの弁当は、「おいしくて栄養バランスが良い」という点にこだわっています。具体的には、鮭ほぐし海苔弁当やひじき枝豆炊き込みご飯弁当など、日本の魅力が詰まったメニューが揃っています。
冷凍弁当の開発を担当した堤さんは、商品開発の際に特に苦労した点について語りました。「健康志向が高まっている海外マーケットに向けて、那珂川キッチンの強みを活かしながら新しい商品を考えることに苦労しました。また、新型コロナウイルスの影響で食生活も変化している中で、何が求められているのかを見つけ出すのが難しかったです。」とも語っています。
今後の展望と目標
2024年11月の輸出開始から数ヶ月が経過し、堤さんたちの努力が実を結び始めましたが、今後も新たな商品開発や生産量の拡大を予定しています。特に、ヨーロッパ向けには冷凍おにぎりを開発中で、サンプルはすでに各国で合格済みとのこと。また、今後の輸出を通じて福利厚生や雇用を増やすことが重要な目標となっています。
堤さんによれば、「ただ商品の売上を上げるだけでなく、那珂川キッチンの商品を通じて、日本の食文化を海外に届けることが、障がい者への支援につながることを実感しています。この取り組みが、社員の誇りとなることを目指していきます。」と語っています。
まとめ
株式会社ビーエイトシーの取り組みは、ただの輸出ビジネスではなく、社会的責任をも果たしながら、障がい者雇用を促進する新たなモデルケースとなるでしょう。日本の魅力的な食文化を世界に伝えながら、障がい者支援が広がることを願ってやみません。最新情報や詳細は、ぜひニュースレターをご覧ください。
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