ニトリのアロマアイマスクが宇宙へ
2025年、吸湿発熱素材「Nウォーム」を使用したアイマスクが、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載されました。この製品は、株式会社ニトリをはじめ、株式会社IRiS Tokyo、三生医薬株式会社の3社によって共同開発され、特別な体験を提供することを目的としています。
開発の背景と目的
本プロジェクトは、「Think Space Life アクセラレータ・プログラム2021」の一環として進められました。宇宙空間における生活環境の向上を目指し、特に宇宙飛行士の睡眠についての課題を解決するために取り組みました。宇宙滞在中のストレスや疲労を軽減する手段として、「香り」と「温もり」に着目し、快適な睡眠環境を実現するための製品が生まれたのです。
アロマアイマスクの特長
このアイマスクには、IRiS Tokyoが設計した天然精油を封じ込めた「香るカプセル」が組み込まれています。三生医薬が開発した高密封シームレスなカプセルは、アイマスクのフェルト部分に埋め込まれ、香りを長時間新鮮に保つ役割を果たします。ユーザーは、カプセルを軽く潰すだけで、森林のような心地よい香りを体験できるのです。また、ニトリの「Nウォーム」素材が、このアイマスクをさらに特別なものにしています。吸湿発熱性に優れたこの素材は、宇宙という厳しい環境下でも温かさを持続させるので、宇宙飛行士たちの充実した睡眠をサポートします。
ISSでの使用状況
2025年9月17日、JAXAの宇宙飛行士、油井亀美也さんがこのアイマスクを装着して「温かく感じますね」とコメントされました。このリアルな体験のもとで、宇宙飛行士たちの睡眠の質が向上することが期待されています。宇宙という特異な環境の中で、心地よい安らぎを提供することが、このプロジェクトの最も重要な意義と言えるでしょう。
宇宙の厳しい条件への適応
宇宙で使う製品は、地上での使用に比べて極めて高い安全性と耐久性が求められます。このアイマスクも、精油という揮発性の高い成分を安全に使用できるように、様々な面からの検討を経て開発されました。搭載に際して必要な安全審査もクリアし、宇宙空間での使用が実現されるに至ったのです。
宇宙における新たな価値の創造
ニトリは「お、ねだん以上。」のスローガンのもと、生活の質を向上させる製品開発に取り組んできました。このプロジェクトを通じて、地上の人々にも快適な睡眠環境を提案し、更なる進化を遂げていくことでしょう。今後、宇宙での生活がより快適になることを願うばかりです。
まとめ
このアロマアイマスクは、単なる製品を超え、宇宙と地上をつなぐ新しい価値を生み出す試みです。心理的な安らぎをもたらす「香り」と、生理的な快適さを提供する「温もり」を兼ね備え、未来の宇宙生活に一石を投じる存在として注目されることでしょう。