愛媛大学の新ラボ
2025-04-22 12:52:19

愛媛大学が新設する昆虫飼育ラボで持続可能な未来を目指す

愛媛大学が新設する昆虫飼育ラボで持続可能な未来を目指す



2023年8月、大日本印刷株式会社(DNP)と愛媛大学は、持続可能な食料供給という目的のもと、養殖魚のエサとなるミールワームを量産する共同研究を開始しました。この取り組みの一環として、2025年4月に同大学内に新たにラボプラントを設置し、同年10月からは年間3トンのミールワーム粉末の生産が可能になる見込みです。さらに、研究の進展に合わせて、ミールワームの量産技術を確立するための「昆虫マテリアル研究講座」も同年6月に設立される予定です。

ミールワームの量産に向けた取り組み



愛媛大学は、ミールワームの飼育の自動化を進めるため、2024年9月には原理試作機の開発を予定しています。この試作機の検証を経て、ミールワーム粉末の安定的な生産が可能になると期待されています。この新しいラボプラントの特長は、ミールワームの生産から加工に至るまでの一貫したプロセスが実現できることです。

具体的には、飼育・研究室と加工室を兼ね備えた100平方メートルの広大なスペースを活用し、愛媛大学のエコシステムセンター内にラボプラントを設置します。この取り組みにより、高品質な養殖魚のエサを提供できる体制が整います。

フンから生まれる新たな資源



加えて、ミールワームの飼育から生じる大量のフンを有効活用するという新たな発見もありました。このフンは、一般的な農作物の肥料として使われるだけでなく、それを炭化処理することで活性炭に変えることができるのです。この活性炭は、空気や水を浄化するためのフィルターとして広く利用されることが期待されています。

具体的には、ミールワームのフンは乾燥重量比で最終製品のミールワーム粉末の約9倍も生成されます。このフンを基に開発した活性炭は、粒子サイズが均一で、他の活性炭と比較しても吸着効率が向上することが確認されています。

環境保護への貢献に向けた将来展望



DNPと愛媛大学は、この新しいラボプラントの運用を通じて、持続可能な食品供給と環境保護の二つを併せ持つ未来の実現を目指しています。2025年10月に本格的な稼働を開始し、年間3トンのミールワーム粉末を生産するのを皮切りに、2027年度には年間100トン、2028年度以降は商業用プラントを設立し、年間1,200トンの生産を目指す計画があります。

さらに、フンから生まれた活性炭の浄化能力を検証し、環境に貢献する製品開発にも注力していく方針です。研究結果を基にしたこの新たな取り組みは、食品の持続可能性と環境保護との融合を象徴するものとなるでしょう。

このように、愛媛大学とDNPの共同プロジェクトは、循環型社会を実現するための重要な一歩を踏み出しています。将来的には、持続可能な食料供給に加え、環境浄化にも貢献することで、サスティナブルな未来を築くことを目指しています。


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